53.chapter
まぁ、最初の内は良かったんですが。
少年はびっくりするほど無知で、色々教えて、感謝されたりとか。結構可愛かったんだけど。
なぜか生意気に育って、今に至る、と。
私何か育て方間違えたのかなー。
「母親ぶらないでよ気色悪い」
「暴言はいけませんよー」
もうね、結構心に刺さる言葉とか言ってくるし、お姉さん悲しいです。
「キモ」
「冗談ですよー」
半分本気ですけどね。
さてと。私がここにいるということは、私はどうやら寝たらしい。
「明日で紹介イベントは終わりだよね」
「そうです。もうバグはほんと勘弁して欲しい」
「………誰のせいだと思ってるの?」
じろり、と睨まれる。はい、空が青いのも郵便ポストが赤いのもバグが続いてるのも全て私のせいでございます。
でもやっぱり原因に心当たりとか全然ないんですよね。うん。ほんとない。
「あ、私の性格とか。全然ヒロインらしくないもの」
「半分正解」
「…………」
地味に傷つきますよそれは。私全否定じゃないですか。
「とりあえずそれはもういいよ。とにかく君は明日のイベントでヘマやらかさないように練習しといたら」
それはいい案ですね。よしそうしよう。
そうして私は真っ白な夢の世界でイベントのための練習をし始めたのだった。




