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47.chapter
「あれ、帰って来てたんだ。お帰りぃー」
ドアが開いたと思ったら、侑香が部屋に帰ってきた。
「どうだった? イベント」
「色々凄かった」
「ん、詳しく教えなさい」
ニヤニヤと楽しそうな笑いを浮かべながら侑香が二段ベッドの下の方へ潜り込む。
「バグでも起こった?」
「それに近いことになりかけた」
「おっ、いいね」
「何がいいの。バグが酷かったらこの世界が壊れるかもしれないのに」
じろり、と睨んでやると侑香は悪びれずに笑う。
「でもさぁ。いつも同じ景色の繰り返しだなんて、つまらないじゃない?」
「だったら世界が壊れてもいいって?」
「んー。いいかどうかって聞かれたら、どちらかというと良くない」
適当だな。
「でも、変化があって、先に進むことがあるのなら、私はその未来を見てみたいな」
「………」
わからなくは、ない。
この世界は、同じことを繰り返し続ける。同じ1年、同じイベント、同じ時間を、ただずっと。
それは、つまらない。そういう考えは、理解できる。私もそう思うからだ。
「私はさ、はっきり言えば脇役だし、あんたの引き立て役だよ。それはいい。面白いし」
おい。
「でも、先がないのは、何か虚しい。この1年しかないのは、つまらない」
「………うん、まぁ、そうだね」
侑香はふっと笑った。




