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40.chapter ◆
え、ちょ……ええ!?
何で彼女がイベント中にいるの?
ってその手にあるのは……教科書か! まだ返してなかったのね。
「あなたは確か学園のイベントによくいらっしゃる方ですよね」
「ああ、知ってるんだ? うん、そう。この学園にはお世話になったからね」
にこりと微笑む彼の横を、クリスが平然と通り抜けていく。
いやいやいや何で唯蝶気付かないんですか!
「でも泉を困らせる必要はないですよね?」
「あ、あの……唯蝶、私は大丈夫、だから」
良かった、台詞忘れなくて。
でもそれどころじゃないよ!
って普通に悠珈の横をすり抜けるようにして通って行くし!!
なに、何で二人とも気づかないの!?
本来これじゃイベントぶち壊しだからね!?
「泉……」
私はまぁ、喧嘩になりかける二人を止めるように動かなきゃいけないんですが、何かもうそれどころじゃない。っていうかクリスは一体、何でこんなに遅かったんだ!
「ふふ、泉ちゃんはいい子だね。幼馴染君が羨ましいな」
あ、教室入った。
「残念だけど、時間がないみたい。縁があればまた会おうね、泉ちゃん」
あ、教科書を置いたのか。出てきましたねクリス。とりあえず向こうの階段は使わないでね、唯蝶と鉢合わせになるから。
とか思ってる内に悠珈がこちらを見てきた。




