33.chapter ◆
おおおおおおおおおおい!!
何で教科書が、ここに!
「ちょっ……それイベントに必要な教科書!」
そう、彼女が持っていたのはわざわざ教室に忘れてきたはずの国語の教科書で。
「いやいやいやいや何でクリスがそれを持ってるの!」
「うふふ、最後の手段ですのよ! さぁ、わたくしとめくるめく愛の世界へ飛び立ちましょう!!」
あのね、ほんとにね、私時間ないの。おふざけに付き合ってる時間ないの。
とか言ってもこの子だもんね。意味なさそうだよね。
さてどうしたものか。
「あのさクリス」
「何ですの?」
「明後日デートする?」
「でっ……デート……ですって?」
明後日はイベントのない日だったはずだし。まぁ適当にショッピングくらいなら出来るだろう。
そう思って言ったんだけど、よくよく考えてみれば彼女がその程度で動くはず、
「わ、わかりましたわ。今回はデートに免じて許して差し上げます」
動いちゃった。そしてなんかわかりませんが許されました。
でも問題はあれだよね。その教科書どうするかだよね。一応だけどイベントに出てくるんですよ。
「あの、クリス?」
「まだ何かありまして? わたくし忙しいんですの」
私も忙しいんだけどね。
「とりあえずその国語の教科書何とかしてもらえる?」
「最初からそのつもりですわ。ご安心なされませ? こっそり返してきて差し上げます」
うんお願いね。で、イベントの時には校舎からちゃんといなくなっておいてね。
早く忘れ物取りにいかないと。この教室に向かうまでの過程がイベントに含まれてなくて良かったー……
私は去って行く(というか教科書を返しに行く)クリスに背を向け、彼女が使うであろう階段とは別の階段から教室へと向かった。




