32.chapter ◆
「じゃ、……邪魔って何のために?」
「それは勿論! わたくしとあなたのめくるめく愛♡の世界のためですわ」
愛してねぇえええええ私そっちの人じゃねぇええええええええええええ!!
いやあの熱弁されているところ申し訳ないんですが私ほんとに急いでましてですね。
こういう邪魔されると腹が立つというか何もいえなくなるというか何ていうかそんな次元を通り越して無気力になりそうになるのでやめていただけると大変助かるんですが。
「えと、私もう行っていいかな?」
「つれないことをおっしゃらないで下さいまし。わたくし、見ていられませんの……あんな……あんな軽そうな男、あなたを不幸にするだけですわ!」
その通り! でもどうしようもないんだよぉおおお!!
「わたくしなら、わたくしならあなたを不幸になど絶対にいたしませんわ!」
え、ほんと?
「今なら天蓋付きのベッドで一生愛でてあげます」
すみませんそれは勘弁して下さい。
っていうか今ならって何だ。特売みたいに言わないで下さい。その前にそういういかがわしい表現はやめて下さいね。
「やばいこと言ってると淘汰されるよ」
「このゲーム、一応18歳推奨ですのよ。問題ありませんわ」
いやここはNLの世界だから!!
十分問題っていうか既に論外!
「あの、ごめんほんと行っていい?」
「そうはいかないですわ。これが目に入りませんの!?」
そう言って彼女が掲げて来たのは……
って。
「えっ、嘘!?」




