29.chapter
で。
再びやって来た処刑時間。じゃなくてイベント。
私の仕事はとりあえず国語の教科書を忘れること。中には宿題を挟んでおく。つまり明日までに宿題提出しなきゃなのに忘れちゃった☆っていうイベントの運びになる、と。
よし、国語の教科書と宿題は机にいれた。で、そのまま寮へレッツゴー。
ちなみにモブたちはこの間でみんな校舎から出て行きます。校舎は不自然にも人がいない設定だからね。万が一にでも私と鉢合わせしたりすると、バグが起こるから。
「あー……憂鬱」
「うん同情するわ」
「まじでなー。俺もさー。イベントとかじゃなけりゃちゃんと忘れ物届けてやるんだけど」
「ちょっと。間違えても泉の忘れ物に触れたりしないでよ」
「わぁ何か私苛められてる気分♪」
っていうかこれ、知らない人が見たら絶対イジメだって。
触らないでってことは何とか箘がついちゃうから触っちゃダメっていうあの苛め方ですねわかります、って納得されそう。
いやイジメとかしても教室の雰囲気悪くなるだけだと思うけどね。あ、でもちなみにそういうイベントもあるんですよー。結構精神的にキツイです☆
まぁあとでみんな謝りに来てくれたりとかするんだけど……彼らもそれが役割だし。仕方ない。
話が盛大に脱線したー!
とにかく私は寮に帰らねば。
「じゃあね」
「イベント頑張れよー」
「へばんなよー」
「力まないで頑張って下さいませね」
「ふえーい」
気のない返事と共に手をひらひらと振り、私は寮へと行く。
……あのアイドルにどう対応しようか、悩みながら。




