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10.chapter
「あんたはバグだ!!」
私がそう叫ぶと不審者はきょとんとした。
それから顔を歪ませーー
(怒ったのか……?)
と彼が言い終わらぬうちに豪快に笑い出す。
「変わった冗談だ!! そうか、私はバグなのか!!」
いやいやこの人明らかにやばいよ。
教師だって名乗ったけど、こんな人見たことないし。
しかも何でこんな時間にうろついてるの。見回りならサボりかもしれない私を連れるかどうかするだろうに。
「とりあえず教室に帰ってもいいでしょうか」
「だがしかし断る!!」
………え。どうしよう、この人。
(……)
急に黙ってしまった少年を不思議に思いながら何か言おうとした時だった。
(……逃げて!!)
またですか?
別に悪事を働いたわけでもないのに、今日二度目の逃走です。
神様、私は実に不運ではありませんか……




