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2.chapter
「おつー、泉」
「だいじょぶー?」
クラスメイトたちが口々に労いの言葉を掛けてくれる。ありがとうございます。
それらにひらひらと手を振り、私はそのまま席に突っ伏す。朝から走りまくって説教されるとか、何の罰ゲームですか……
「ほらほら。次はあんたのお兄さんのイベでしょ。シャキッとしなさい」
「どうでもいいので寝させてくらはい……」
「呂律回ってないけど?」
侑香は苦笑しながらポンポンと私の頭を軽く叩く。
いいなぁ、普通の生活。誰にも殺されないし追っかけられないし恋愛しなくて済むなんて最高じゃない。
それに比べて私はどうよ? 選択肢も出ない内から殺害されたんだぞ。一体私が何をしたというのか!
(……うるさい。君は色々馬鹿やらかしてるじゃない。文句垂れてないでリハーサルでもしときなよ)
にべもないですね少年。その毒舌は今回のルートもご活躍ですか。
とりあえず、紹介イベントが何事もなく終わったことに安堵。バグがないって素晴らしい。わーい。
その時、ポケットの中の携帯が小さく震え始めた。何かと思って携帯を開けば、見覚えのある名前が一つ。その名前を見て思わず私は瞬きを繰り返した。
そう、刻からだったのだ。




