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2.offstage

「……とにかく。バグに気をつけて動いて。このままじゃ本当に……、この世界は壊れる」

「こんだけやってもまだ壊れてないのが不思議ですね…… 」

「……。それは、君が」


 ……え?


 少年は何かを言いかけ、しかし止めた。

 ……いやいや物凄く気になるんですが。私が何ですか?


「……とりあえず、早く行きなよ。プレイヤーが、苛立つから」

「あ、はい。行ってきます。頑張ります!」

「……せいぜい警戒心を忘れずにね」

「はーい」




「……どうして、君は……、こうなの」


 少年は、泉が通った扉を見つめてから俯いた。


「……どうして……気付かないの」


 苦しげに、少年が吐息をこぼす。胸元をぐっと握り、顔を歪める。


「……お願いだよ」


 呟く声は、酷く弱弱しい。


「お願い。お願いだから……気付いて。否定して。消してよ。バグが存在してたら……君は、この世界を守れないじゃない。君が肯定してしまったら、君はこの世界を壊してしまうじゃない。いつまでたっても……いつまでたっても消えてくれないじゃない。お願いだよ。お願いだから、お願いだから……バグを、矛盾を。早く……殺してよ……」


 誰にも届かない独白。


 くずおれる少年の頬を、きらきらと光る何かが零れ落ちていった。

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