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9.chapter
「え、あの……え?」
とりあえず目を引いたのは漆黒の着物である。
………………着物!?
え、ここ学園だよね? そうだよね? しかも別に授業中に着物姿の男が闊歩するほど和風の学園じゃないよね!?
私がフリーズしていると、男――っていうかもう明らかに不審者なそいつは高笑いし始めた。
「何だなんだ!? あまりの美貌に声も出ないか!? 貴様なかなか見る目があるな!!」
いえ、何ていうかもう、この不審者全開の怪しさにドン引きです。
「すみませんあなた誰ですかとか聞くほど私体力的に現在余裕がありませんのでこのまま消えてもいいでしょうか」
「痛烈だな!! だがまぁ待て」
嫌ですこれ以上体力減らしたくありません。
「あなた教師ですか?」
「お、興味が出たか? まぁ無理もない!!」
うざい。
これはうざい。すごくうざい。
「クラスに戻ります」
「即断だ!! だが寛大な私はそんな照れ屋な貴様の問いに答えてやろう!!」
「いえ必要ないです」
「私は教師だ‼」
「……」
「……」
「……」
「……」
ってそれだけですか‼
っていうかこんな教師見たことないけど……
とそこで、私はとんでもない可能性に気づいた。




