表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/48

    イベント開始?

 悠夜と光喜の幼馴染のエルルとシャリーナが遊びに来て、その後、悠夜とエルルは成り行きで2人で買い物に出かけることになったが・・・そのきっかけとなったシャリーナは光喜と共に追跡を始める。

 だが、その追跡に気が付いていないのはエルルだけだった。

 その後とは言うと、エルルが躓いて俺とは反対方向に転んだり、会話の節々でエルルがうつむいたりする

たびに、後ろの追跡者Aが「そうじゃないでしょ!!」、「あ゛〜、じれったい!!」などという声が飛んでくる、丸聞こえ

だぞ、俺の聴力が人並みはずれている可能性は高いが、それでも、もう少し声量を抑えることを覚えろ。


「じゃあ、少し待っててくれるか」


 俺はそういうと、酒屋の前でエルルを待たせておいて居酒屋の中に入っていった。

店の中には見知った定員の姉ちゃんが酒の瓶を破れないように紙袋に入れてくれる。顔見知りの人なので

俺が未成年というところには触れずにいてくれるいい人だ、まぁ社会的にいい人なのかどうかは分からないがな。

 代金の清算を済ませて紙袋を持って店の出口へ振り向いたとき、エルルの腕の中には小さな黒猫が抱かれて

いた、赤い首輪をつけているからどこかの飼い猫なのだろうな。

 すると、エルルの傍に黒いスーツに黒いサングラスという、いかにもといった服装のゴツイ男が数人現れた

どう見てもエルルが脅えているように見える。

 そして考えるより早く、俺の足は奴らの方へと走っていた。


「・・・そうなんですか、じゃあ」


 エルルが何か言いかけたとき、俺は店のドアを勢いよく開けて男たちの中でも一番偉そうな奴を俺の偏見と

直感により選び出しその顔面にシャイニングブレードを決めた。

 サングラスが音を立てて砕け、黒服の男は手足をピクピクと痙攣させながら固いコンクリートの道路に倒れた。


「アニキ!!」


 男の一人がそういう、やっぱこいつがアニキなのか、俺の偏見と直感もなかなか冴えてるな。


「てめぇ、何しやが・・・・」


 男の一人・・・じゃあ分かりにくいか・・・。アニキさんが男Aで、アニキ!!と叫んだのがB、今話していたのがCとしよう。

今俺によって銘々された男Cは失礼にも俺の顔に向かって指を刺す、人を指差しちゃいけないって教わらなかった

のか、人間としての道徳心を疑うね。


「こいつこの前、事務所を潰した奴ですよ!!」


 事務者?はてなんのことだろうか、俺はお前らみたいなヤクザかマフィアが良く分からない奴らの事務所を襲撃した

覚えは・・・。

 いや待てよ、もしかして、この前メアとの冒険から街に帰ってきたときに壊してしまった馬鹿デカイ建物の話をしている

のではないだろうか?

 そうだとすれば、記憶転換の呪術が失敗してたのか、事後処理がうまくいっていなかったようだな。


「なんだとこらぁ!!」


 新キャラ男D登場、気にしていなかったがこの訳のわからん集団は野球チームが出来そうな人数いたようだ

店の中に居たときは陳列棚が邪魔で見えなかったよ。


「ただで済むと思ってないだろうな」


 そういいながら男E、いや立ち居地で言うとF・・・まぁどうでもいいか、ともかくそいつは懐から拳銃を取り出した。

すると、飛び立った仲間を見た渡り鳥の群れのように次々と同じ動作を繰り返した。


「たく・・・あんま街中で暴れたくなかったんだが仕方ないか」

「てめぇから仕掛けてきたんだろうが!!」


 俺の言葉に男Gぐらいが俺にどなるように言う。まぁその通りなのだが過去のことはいつまでも引きずるもんじゃないぞ。

俺が腕に魔力を集中したとき、エルルが俺のコートの袖を引っ張ってきて俺は後ろを振り返った。

 俺の視界はコンクリートの道路よりも、モコモコした絨毯のようなものの方が多く見えるね。


「コイツですよ、お頭!!」


 そういったのは先ほど俺が更生してあげたワンちゃんだ。こいつは亜人Bとしよう、お頭と呼ばれた奴の方が偉いだろう

から、そっちが亜人Aだな。

 それにしても、今度はラグビーでも出来そうな人数を連れてきたな・・・。プロテクター代わりに鎧なんて着ちゃって、それ

にしてもラグビーって14人で出来たっけ?少し足りない気もするが別に構わんさ。


「てめぇらは、ギルド『シルバーウルフ』」


 男Bが言う。


「貴様らは、ギルド『玄龍組』」


 お頭である亜人Aが言う。ちなみにギルドとは、まぁ何かを目的として集まっている組織のことだ。


「そうか・・・てめぇらがデータを盗んだのか」

「なるほど、うちの若頭をやってくれたのは貴様らの差し金か」


 事情は分からんが話がかみ合ってなくないか。そして、なぜ両者とも俺をピュアな気持ちが微塵も感じられない目で

睨んでいる。

 俺は手に込めていた魔力を足元に向けて放った。あたり一面には砂埃が舞い、俺は猫を抱いたまま硬直していた

エルルの手を引いて走り出した。


「あっ・・・悠夜お兄ちゃん!?」


 エルルはまだ頭の中が混乱しているようだ


「いいからさっさと逃げるぞ」


 俺がそう呟いたとき、発砲音が幾つも聞こえてきた。俺はすぐに防御用の魔法を使おうとしたが、すぐに異変に気が付く。


「な、なんじゃこりゃあ!!」


 それは空中で銃弾が静止しているのだ、どうやらどこかで時間操作の魔法が得意な奴が助けてくれたようだな。

 すると今度はでかい鎧を着た亜人が走ってくる。

そこに、おそらくはたまたま通りかかった見覚えのある通行人が近づいてきた、その金髪ツインテールの通行人はマスクに

サングラスに帽子を装着していた。

 彼女は俺たちに接近してくる亜人の鎧にぶつかるかのように触れた。


「ぐぉおお!!」


 亜人はまるでつぶれた蛙のようにコンクリートの道路にへばりついた。


「シャリーナ!!」


 エルルがそう叫んだが、通行人さんは無視して歩き続けて次々と亜人にぶつかっていく、そしてぶつかった亜人たちは次々と

その場にひれ伏した。


「何だ貴様は!!」


 1人・・・というか1匹の亜人が斧を振り下ろすが、通行人の女性は斧を片手でつまむように受け止めた。


「あら、ごめんなさいね!!」


 そういいながら、通行人は巨体の亜人を簡単に投げ飛ばしてしまった。

ちなみに本人は変装しているつもりらしいので気付かないことにするので関係のないことだが、シャリーナの能力は説明して

なかったよな。

 シャリーナの能力は重量・質量の変化、つまりは物を重くしたり軽くしたりする力だな。


「死にさらせー!!」


 近くでは亜人と男たちの激しい攻防まで繰り広げられていた。俺はさっさと行けというジェスチャーをする通行人の忠告に従うこと

にして、エルルを連れてその場から逃げていった。

 まぁ、街中でのイベント開始です。

 シャリーナの能力も一応は明らかになり、近いうちにエルルの能力も明らかにしていきたいと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ