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    ダンジョン?

悠夜、光喜、メアの三人がダンジョンを探索していると、レベルの低いダンジョンには居ないはずの死神が現れた、悠夜は死神ではなく、メアからもらったバームクーヘンにより毒を喰らっていたが、けっこう余裕で死神を倒した。

 結局その階には死神が1匹いただけで、特におもしろいものは何もなかった、

次の階への階段を探すのも特に苦労しなかった。


 さぁ、いきなりだが、諸君はダンジョンの定義というものを知っているだろうか?

ダンジョンとは元来の意味では『地下牢』などの意味で使われる、だが、ロールプレイング

などでいうダンジョンとは、もっと広い意味での使われ方をするのだ。


 ここで、俺流のダンジョンの定義と現在の状況を検証してみよう、なに、かたっ苦しいことじゃない

ただ、俺の愚痴に付き合ってくれということだ。


 俺流定義1

 侵入者の目的達成を拒むために、迷路、トラップ、モンスターなどが用意されている。


 モンスターはいいとしよう、トラップがないのも、経費削減の関係だったと諦めよう、だが・・・・


「なんなんだこれは・・・」


 俺は壁に張ってあるポスターを見る、それには矢印と丁寧なダンジョン案内が書いてある、

最初は罠かと思ったが、わざわざ宝箱の位置と中身まで書いてると来てる。


「ラッキーだね」


 光喜が無邪気な笑みを浮かべた。


 俺流定義2

 ダンジョン創設後、他者によって作り変えられてないこと


 俺の手には缶コーヒー、光喜はスポーツ飲料のペットボトルに口をつけ、メアは炭酸飲料の缶

に口をつけたあと刺激の強さに身震いする。

 無論こんなもの持ってきたわけでわない、近場にあった自動販売機で買ったのだ、誰が設置した

こんな人もこない場所に設置したところで、赤字だった帳簿が黒字になるとは思わんね、

こんな酔狂なことをするくらいだったら、自分の庭で石油を探し続ける方がマトモに見えるね。


 次が俺の定義の最後だ


 俺流定義3

 ダンジョンとは閉鎖的な空間であること


 だがどうだろうか?俺たちが階段を下りた先は、どこかの谷底のようで一面の花畑ともう季節は秋を過ぎ

冬に近づこうとしているのに、地球温暖化という嫌がらせを律儀に続けている太陽が見える。


「そろそろ、俺の結論を言わせてもらってもいいか?」

「なんのはなし?」

「・・・・?」


 俺の言葉に2人して首を傾げる、こいつらはまだこの花畑のどこかに、魔法だか伝説だか秘伝だか、何か

よく分からん大福があるとでも思っているのだろうか?


「大丈夫だよ!諦めずに探せばきっとあるよ!」


 光喜はグッと親指をたてて俺を励ますように言う、別に挫折したいわけじゃない、探す場所を変えないかと

提案しているのだが、こいつにはそれが伝わらんのだろうか?


「・・・・ふぁいと」


 少々訂正、こいつらにはそれが伝わらんのだろうか?

 俺が開いた口がふさがらなくて、この開いた口をどうするか考えていると、花畑の中から何体もの人影のような

ものが飛び出してきた。


「悠夜、敵だよ、ボーっとしてちゃだめだよ」


 光喜がそういいながら剣を抜く、誰のせいでボーっとしてたんだろうね、それをまず教えて欲しいものだよ光喜君。


 俺が周囲を見渡したとき、あたりは死神の群れに囲まれていた、こいつらでポーカーをしたらフルハウスが3回は

できそうだよ。


「さっきの死神もそうだが、なんでダンジョンのレベルに見合わない奴がゴロゴロいるんだろうね」


 そういいながら、ポケットから煙草を取り出し口にくわえると火をつけた、火をつけるために出したジッポライターを

閉めて、カシャという金属音が鳴った瞬間、奴らは一斉に襲い掛かってきた。


「ラ〜ラララ〜ラ〜―――」


 すると、メアが澄んだ声で歌いだす、もしもこれがストリートの真ん中で歌っているなら、その場に歌い終わるまで

立ち止まり、その後にお茶にでも誘うね。


「おい、ここで使う気か!?」


 俺は歌いながら死神の攻撃を舞うような剣技でさばいていくメアに語りかける、だがメアはずっと歌ったままだ

光喜も剣で死神をあしらっていっている


「邪魔だーーーーー!!」


 俺は叫びながら魔力を一気に放つと、俺の前方に立ちふさがっていた死神が吹き飛んでゆく、それと同時に

その道を俺と光喜は走り出し、岩陰へと飛び込んだ。

 メアは死神たちの真ん中でまだ歌っていて、その剣には輝くばかりの魔力が集中されていた。


精霊(ザ・スピリット)賛美(・アドミレーション)


 メアが小さくそう言った瞬間、あたりの花びらは舞い目の前の景色が変わって言った、谷の岩の壁は

どんどんと削られ、切り付けられ、花畑の花は宙に舞い、死神の骨の破片も流れる景色のように吹き飛んでいく

地面もまるで地割れのような跡がドンドンとついていく、無差別的な破壊行為が終了された後、俺たちは立ちあがった。


「やりすぎだろ・・・」


 俺がボソっというと、メアは首を傾げる、メアの背後にあったダンジョンの出入り口は無残に崩れ去り

ユートピアに思えた花園は、地獄絵図のようになっている。

 これはメアの技の1つ、声を斬撃に変えるのがメアの能力だが、歌によりその斬撃を剣に閉じ込め

その後、いっきに放出するものだ、歌が長ければ長いほど威力&射程も比例するようにあがっていく、

この前、興味本位で計算してみたが、彼女が5分歌うと都市が半壊するようだ。


「たく・・・まぁ、無事だったからよしとするか」


 俺がそういって隣を見たとき、半透明な光喜がそこで照れるような笑みを浮かべていた、その足元には

なんとも無残なものが転がっている。


「死んじゃったみたい」


 光喜が笑いながら言う、この世界にいると死という概念が薄れていくよ、町に戻れば蘇生も出来るしな、

まぁ、現在に至るとおり、メアのこの技は普通味方がいるとき使うべきではない、死人が出る、というか出た。


「・・・・はい」


 メアがささやくように言うと、かわいらしいピンク色の絆創膏を取り出した、そしてそれを光喜の死体に張った。


「かなり無茶がないか?」

「ありがとう」


 俺がツッコミを入れている間に、光喜の死体は一度消え、光喜の幽霊が光ると、光喜は復活した

最近の絆創膏は便利になったものだね、というかどんな絆創膏だ、魔法の絆創膏か、伝説の絆創膏か?


「・・・不死鳥の羽」


 メアはそういいながら、先ほど光喜に使ったのと同じ絆創膏を俺に見せてくれる、不死鳥の羽はいつから

ビニール生地になったのか教えてくれないか? それとも、そういう商品名の絆創膏なのか?


 俺のツッコミはことごとく虚空へと消え、俺たちはメアがダンジョンの出入り口を壊したため帰ることができないので

半ばヤケを起こしながらも一本道の谷底を歩き出した。

 酒も煙草もする不良少年だが、切実に願おう、もう帰りたい。

悠夜の皮肉度がMAXに近づきつつあります、それにともないそろそろダンジョン?探索も大詰めです、さっさと攻略しないと他のキャラが出てこれないので、というわけであと1・2話で攻略すると思われます。

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