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    中ボス?

 シャリーナとの特訓中?に公園で爆破事件が発生、そして、その現場で悠夜たちに銃弾が迫った。

 悠夜は爆破事件の被害者の救助をシャリーナに任せると、一人その犯人を追いかけていた。

「チッ!! 結構速ぇーな!!」


 逃げている賊はどうやら何かのマジックアイテムを使って移動しているようで、なかなか距離

が縮まろうとしない。一体どこに逃げるつもりなんだ・・・。賊を追いかけてレンガ造りの建物の

角を曲がりレンガの壁と同じ色の歩道に足を踏み入れる。


「なるほど、そういうわけか・・・」


 この道に入った瞬間にギラギラとした気配を感じやがる。3・・4・・5・・いやもっとか。通り魔に

しては黒魔術式の銃弾や移動速度を上げるマジックアイテム、その上、俺の探知能力を鈍らせ

る何かまで持っているようで、おかしいとは思っていたがな。

 その男を必死に追いかけていると緩やかな岡の上に立つ廃工場が見える。なるほど、そこに

誘い込みたいわけか・・・。ここでとっ捕まえちまうと残りの隠れている奴らに逃げられるかも知

れねぇし、その罠にかかってやろうじゃねぇか。

 俺は敵との距離を一定に保ったまま、その工場へむかった。

 開けっ放しになった鉄の扉をくぐりぬけ、明かり1つもついていない中へと歩いていく。一歩ご

とにコツンコツンと足音が工場の中に響き、俺以外はネズミ1匹もいないのではないかと思って

しまう。この殺気さえなければの話だがな・・・・。

 ある程度中へ進んだとき、後ろのドアが硬く閉ざされる音が聞こえる。その瞬間、急に照明が

つけられたかと思うと吹き抜けになった二階に3人、目の前に1人、後ろに2人、両サイドに1人

ずつが配置している。


「まさか、ここまでやっかいな連中だとはな・・・」


 想像していた以上にこいつらは厄介だ、別に人数の問題ではない。やつらはハンドガンの他に

マシンガンまで持ってやがった。もしも、あの中身にまで黒魔術式の銃弾が入っていたとしたらか

なりやばいことになりそうだな。


「てめぇら、覚悟できてんだろうな」


 俺はそういうと新しい煙草に火をつけて咥える。この前のヤクザみたいに黒装束なら分かりやす

いのに、こいつらは普通の私服に身を包んでいる。どこのギルドにいる人間なのか検討もつかねぇ。


「・・・照合を頼む」


 俺が追いかけてきた男の一人が二階部分から俺を見下ろしながらマシンガンを構えている一人に

言った。人様見下してんじゃねぇぞこらぁ。


「陽河悠夜ランクはX、生け捕りにしろ」


 ランク? もしかして、エルルが見つけた黒猫の首輪にはまっていたマジックストーンのメッセージ

にあったあれか・・・。バツじゃなくてエックスだったんだな、なんとなく安心したぜ。こいつらがあの中

身のリストの事を知っているとしたら。


「なるほど『魔女狩り』っていうのは実在する組織のことなのか」


 俺がそういったとき、奴らは互いに顔を見合わせた。多分ビンゴだろうな。だが、あのメッセージには

『世にはいない・・・』とあったが、生け捕りにしろということは殺しが目的の組織じゃなかったのか。い

や、公園での銃撃からして確実に殺しに来ていた・・・。ならばなぜだ? 先ほどの照合とやらの結果

がランクXだと生け捕りというルールでもあるのか? いやはや、もてる男は辛いねぇ〜。どうせなら、

かわいい女の子にもてたいと思うのは贅沢ではないだろう。

 俺がアレやコレや考えていると、一人の男が手で合図を送る。そして、1時間餌の前で待てといわれ

続けた飼い犬のごとく、俺を囲んでいた5人がナイフで飛び掛ってきた。その間にも二階部にいる3人

は弾を入れ替えている。どうやら、本当に俺を生け捕りにしたいらしい、多分黒魔術式の弾丸から普通

の弾丸に入れ替えているのダウ。

 捕まったらどうなるのか気になるが、婿入り前の体に傷でもつけられたら女が寄り付かなくなるので

却下だ。

 まずは前方の一人に向かっていきナイフの一撃を回避、その後、自分で言うのもなんだが鋭い蹴り

を顎下に食らわす。ひるんだところで右足を軸にして回転し、左足で相手の顔面を蹴り飛ばす。男は

口から血と折れた歯を吐き出しながら回転するように飛んでいった。


「いっちょ上がり・・・」


 余裕でそういっているうちに、左右の2人と後ろにいた2人が一気に詰め寄ってきた。焦らず、慌てず、

冷静に。これが俺の戦う上での心得だ。それに準じて、加えていた煙草の煙を軽く吸った後両手を広げ

る。

 両サイドに防御用の魔方陣を展開して左右の敵の進行を抑える。そして、残りの2人の目を見ると素

早く幻術をかける。


「ぐぉおおおおおお!!」


 2人の男は叫びながらありもしない地獄の業火にもだえていた。

 防御用の魔方陣を解除すると、二階部から降り注ぐ弾丸の雨を右サイドに走って避けていく。途中一

人の敵がナイフを俺に向けたが、あいにくその程度の攻撃なら難なく回避できるんでね。ナイフを持つ

腕を掴んで引き寄せて弾除けに使う。銃弾で男の体がビクビクと踊り狂い、銃弾の雨が降り止んだ後も

痙攣しているようだ。

 俺は弾除けを離すと硬い床へと何の抵抗もなしに落ちていった。弾除けがなくなった瞬間にまた銃弾

の雨が降り注いでくるが、次々と回避して鉄骨やドラム缶や廃材が積み上げられたところへと転がりこ

む。

 銃弾は確かに速いが、こちらの世界では銃弾を避けれる人間なんて五万といる。そりゃ、近距離なら

難しくもなるが遠距離なら楽勝だ。一階部にまだ残っていた一人が接近してくるが、黒い魔力の球体を

手の平に作るとそれを放ちあっけなくダウン。これで残りは二階にいた3人だけか。


「意外と楽勝だったな」


 俺がそうボソっと呟いたとき、3人は吹き抜けになったところを飛び降りて一斉に向かってきた。マシン

ガンを豪勢に連射しながら接近してくる3人。俺は一度やつらを眺めてギリギリまで銃弾を引き寄せると、

紙一重のタイミングで右に回避した。

 だが、奴らは左にマシンガンを連射しながら走っていく。こいつら幻術に耐性がなさ過ぎるんじゃないか。

奴らは幻術にかかっていて、幻の俺に向かって銃弾を無駄に浪費しているわけだ。

 悠々と3人の後ろを取ると、首筋に手刀を入れて3人とも気絶させる。一度手刀で人を気絶させるってや

りたかったんだよな〜、どこかの国の敏腕スパイみたいでカッコイイし。

 俺が微妙な優越感に浸っていたとき、急に後ろに気配を感じ振り返る。


「ぐっ・・・・」


 急に俺の体が宙を舞う。左頬に鈍い痛みが残っている。何が起きた? 殴られたのか、それとも、魔法?

空中で体制を整え、軽い脳震盪でうつろになっていた目で敵を確認する。

 2mは軽く超える身長、それに見合う図太い腕が振りあがったままのことから俺を襲ったのは裏拳だと予

想される。ゴリラ並の・・・いや、それ以上の筋肉だなこりゃあ。印象的なのはジェイソンの仮面をかぶって

いることだ。こちらの世界には『13日の金曜日』という映画はないのに、どこにそんな仮面が売っているの

だろう。

 他の特徴はフードつきのマントに、皮製の肘まである黒い手袋、靴はスキーでもしたそうなでかい奴。肌

を一切露出しない服装だ。目も見えないし、フードのせいで髪も耳も見えない。

 というか、このデカイ図体のクセに全く気配が感じられなかった。


「いつからいたんだよ、不意打ちなんて卑怯じゃねぇか?」


 そういいながら、暗くて見えない相手の目を睨みながら幻術をかける。眼力に魔力を乗せるのが俺の幻術

なんで目が見えなくても大丈夫なんだよ。幻術は卑怯? 卑怯上等。俺は正義のヒーローでもジェントルマン

でもねぇただの不良なんでな。

 アイツが幻術の俺と向き合っている隙にサイドに回りこむ、そして、首筋に蹴りを一撃くらわす。悪いが一撃

で終りだな。

 首の骨が粉砕するのを確信したとき、図太い腕が見かけよらず素早く首筋をガードする。幻術にかかってい

なかったことも驚きなんだが・・・。


「かてぇ・・・」


 筋肉がすごいとかいうレベルじゃねぇよ。まるで岩を蹴っているようだぜ。


「体術がダメなら・・・」


 俺はバックステップの後、オマケの側転、正式には側方倒立回転&バク転、正式には・・・・知らん。いやはや、

我ながらこんなことを考えているなんて余裕だな・・・。とりあえず敵から離れることにした。

 その大男は俺を追わずに眺めている。余裕なのか、慎重なのかは分からん。まぁ、距離をとらせてくれるなら

それが嫌味だとしても別に構わないがな。


「吹き飛べやーー!!」


 黒い魔力の砲撃を放つ、横から見れば帯のように見えるその砲撃は直線的な動きで一瞬で相手に迫る。腕

に鎧を着けているのか、魔力でガードしているのかは知らんが砕けちまいな!!

 タイミング的に避けれるとは思わんし、今度こそ終わっただろう・・・。そう確信を得たとき、またしても俺の期

待は一瞬で裏切られた。

 この話だけ戦闘が大半を占めてます。まぁ、そろそろ、一撃で伸びちゃうような雑魚ばっかし悠夜と戦わしても仕方ないかな〜と思い始めた今日この頃です。

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