表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/48

    決着の地?

 朝から夢見最悪なときに現れたタケシ。

 彼が来た理由とは、偽者の悠夜がいるといううわさを悠夜に知らせるためだった。

 最初は興味のなかった悠夜だったが、その偽者の背中に母親の仇である男の目印・・・悠夜と同じ呪印が刻まれていると聞き、偽者を探すことを決意した。

 シャワーを止めて浴室から出て服を着た後、スポーツタオルを1枚持って長い髪を拭きながら

リビングに戻った。そして、リビングの光景を見た俺の思考回路はしばし停止する。

 テーブルの上にはピリ辛のスナック菓子、ソファーには光喜がにこやかな顔で俺が愛用して

いるチリソース。このチリソースは世界一辛いといわれるハバネロがふんだんに使用された、

いわば厳選された1品だ、あまりに辛いため購買者が少なく買うのに苦労した奴だな。そして、

絨毯にはタケシが転げ回っている。


「何やってんだ・・・」


 俺は一目瞭然だが、一応事実確認のために聞いてみた。


「ポテチにね、こっそりこれをつけて食べさせたの♪」


 光喜が輝かしいまでの笑みで俺に教えてくれた、分かってたよそんなこと・・・。

 俺はタケシが水を求めてキッチンまで走っていったのを確認して、壁にかけてあったコートを

羽織った。


「で、俺の偽者はどの辺りにでるんだ?」


 俺はキッチンでまさに浴びるように水を飲んでいたタケシに聞いた。


「か・・・かは・・くへ・・」


 タケシは声にならない声を出す。その後、タケシとまともに会話が出来たのは15分後のこと

だった。さらに、タケシの証言を元に俺の偽者を探しに出たのは、1時間後のことだ。


「タケシのせいで遅れたね〜」


 光喜が嫌味っぽく言う。


「お前のせいだろうが!!」


 タケシが顔を真っ赤にして反論する。怒っているからか、それとも激辛モードがまだ続いて

いるのか、どちらにしろ真っ赤な顔だ。


「いいから、さっさと案内しやがれ」


 俺がタケシを睨みながら言う。


「俺のせいっすか!?」


 タケシは口を開けたままでしばし固まり、その後、深いため息を着いた後歩き出した。その後、

地下鉄という移動手段を駆使して目的地であるダンジョンに到着したのだった。


「おい・・・本当にこんなとこにいるのか?」

「うわさだとそうっすね」


 そこは、かなりレベルの低いダンジョンだった。いや、レベルの低いのは目を瞑ろう、だがこれは

ないだろう・・・。

 俺の目の前にはダンジョンというよりも、お菓子の家ならぬお菓子の城が立っていた。色とりどり

に彩られた城壁の上部には、クリームのような装飾。城門はクッキーとキャンディーをイメージした

デザインとなっており、城を囲む溝にはオレンジジュースのような液体が流れている。

 おい、俺の偽者よ・・・。なぜ、ここを選んだ。俺のイメージというものを少しは考えて欲しいものだ

ね。


「ピキャーーーー」


 そして、モンスターのご登場。容姿は・・・人型のクッキーを大きくしたかんじだ、それ以上でもそ

れ以下でもない。


「・・・・・」


 俺は無言のままで、道端の空き缶を蹴るかのごとくつま先で軽く蹴った。すると、モンスターの

体はマジでクッキーのようにもろく崩れていった。


「・・・・本当にここにいるんだよな」


 俺はタケシを睨むように見る。自分でも分かるぐらいにダークなオーラが体から立ち込めるようだ。


「ま・・・間違いないっすよ!! やだなー、アニキってば!!」


 タケシの額からは汗が滝のように流れている。まぁ、疑っていても仕方ない。ここにあの男がいる

かも知れないんだ・・・行くしかないよな。

 そして、俺たちはダンジョン攻略に向けて歩き出したのだった。


「ピキュ」

「ピキャー」

「ピキュキュ」


 門をくぐった瞬間にクッキーが3人前お出迎えに来た。


「タケシ・・・任せた」


 俺がそういうと、タケシは魔力でなんかごっついガトリング砲を出した。

 ★しばし、擬音のみでお楽しみください★

 ドドドドドドドド・・・・ガガガガガガ・・・バラバラバラ・・ボロ・・ベキャベキャ・・・

 クッキー3人前は脆くも全て砕け散っていった。


「ひどいことするね〜」


 光喜はそういいながらも、モンスターの破片を口に入れていた。落ちているものを拾い食いしちゃい

けません。というか、それは食っても無害なのか?

 俺たちは城の内部を目指して歩き出した。トラップもなく、分かれ道もなく、モンスターも他には出て

こず、俺たちは驚くほどにあっさりと城の内部へと侵入していった。

 すると、内部に入った瞬間に3つほど道がそれぞれ伸びている。


「どれかな〜?」


 光喜がおとぼけた声でそう言った。すると、タケシが鼻を鳴らして得意げに前に出た。


「まっかせてください!!」


 タケシは俺にそういうと、今度は魔力で小さなネズミのようなロボットを5体ほど作り出した。


「マウスボムバージョン3.1!!」


 コンマ1はなんだ・・・修正パッチでもあてたのか?


「こいつは偵察も出来るし、敵を見つければ爆発するという優れものなんですよ」


 タケシはそういうと、ネズミたちを一斉に放した。


「ちょっと待っててください。すぐに階段を見つけると―――」


 タケシが言いかけたとき。その場からあまり離れない場所で爆発音が響く。すると、それにつられる

ように反対方向でも爆発音が響き、立て続けに5つも爆発音が城の中に響いた。


「全部敵にぶつかったみたいだね」


 光喜が手の平を額に当てて、わざとらしくキョロキョロしながら言う。

 その直後、ゴゴゴゴゴといやな地鳴りのようなものが聞こえてきた。なんとなくだが、俺は近くの壁を

蹴ってみた。すると壁はクッキーのように簡単に穴が開いた。いや、欠陥住宅にもほどがあるだろう、

寝室の天井どころか床までがアスベストで覆われ尽くした家だとしても、この城よりかは100倍住み

心地がいいだろうね。


「おい・・・今の爆発で柱かなんか壊したんじゃないか?」


 俺が頭の上ではてなマークを出していた2人に言う


「え・・・まじっすか?」

「ふぇ?」


 タケシ、光喜の順に顔が変化した。タケシは引きつった笑み、光喜は目を丸くして首を傾げる。

そして、天井が崩れてきたのはその3秒後のことであった。

 自分で書いててなんですけど男3人は華がないな・・・。まぁ、ここまで来てエルルやメアを連れてくるのもなんだし貫き通すが、タケシを使うときはきを配るようにしないとな〜。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ