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【外伝】魔女エルサ・フェルム③

第三話



しねしねしねしね。


アレキサンダラスは、とことんふざけている。

いやブルーシアも同じだ。


「派遣」じゃなかったのかよ。

なんで戦線にブルーシア軍しかいないんだよ。


軍服で誤魔化せると思ってんだろうな。

でもこの魔力の色、ここにはブルーシアの魔女しかいない。


まじであり得ない。

ああそうか。

魔女殺しの力を測るために私ら使ってるのか。

アレキサンダラスは後ろから見物してんだろ、どうせ。

あーまじできもい。


いいよ。

全員殺してやるよ。

魔女殺しも。


ーーー


ーー後に魔法大戦とも謳われる、この戦は、リブルムンドの魔女のみで構成される魔導隊本隊を中心とした編成と、アレキサンダラス(ブルーシア魔術隊)軍の、魔法による総力戦であった。

リブルムンドの短期決戦を目論んだ撃鉄の魔女による局所破壊を中心とした作戦は、着実にアレキサンダラス(ブルーシア魔術隊)軍の戦力を、冷酷無情に削っていく。

エルサと脱走の約束を交わした、アンとジーナの安否は、強大な戦力により、煙に巻かれた。

圧倒的な突破力を見せつける魔導隊本隊。

エルサはついにその本隊と相対することになる。


ーーー


無茶苦茶だ。

援護も無い。

補給も無い。

これ以上に捨て駒って表現が似合う場面が他にあるか。


逃げないと。

逃げないと。

本隊が来る。

だいたいリブルムンドが総力なのに勝てる訳ねぇだろ。

くそが。


ーーー


ーーエルサは瓦礫の影を伝い、身を隠しながら、リブルムンド側へ着実に進む。

闘志はすでに失われ、逃亡の目的だけを果たそうとしてした。


ある全壊した建物の二階だった箇所に、腰を落ち着かせ、本隊が通り過ぎるまでを、エルサは息を殺し身を潜める。

腰に付けた砂まみれのフィールドスコープ。

曇ったレンズを袖で拭き、本隊の動向を伺う。


ーーー


あいつらか。

ろくに負傷すらしてない。

なんなんだ死神どもめ。


ーーー


ーーエルサがこうまでして、リブルムンドを目指すのには逃亡ともう一つの理由があった。

今回の戦禍で、「いい年」した魔女から聞いた話。

リブルムンドの神の山に囲まれた森には、森の魔女がいる。

その魔女は古代の魔術書の番人であり、魔女殺しはその魔術書から力を授かった、と。

自身を魔術行使における天才と疑わないエルサは、その魔術書を以て、自らも力を得ようと目論んでいた。


ーーー


私があの力を使えば、こんなふざけた戦争も終わらせてやる。

軍のやつらもみんな平伏させてやるんだ。

古代の魔術書は私が独占する。

使ってやるよ。

この私が。


ーーー


ーーしかして、エルサのスコープは本隊のある人物を捉える。


ーーー


…!あの女!!!


間違いない、あいつだ!


泣き喚いていたあいつが…何故そこに。

その位置。

まさか。

お前が。

お前が魔女殺しか。


死んだ兵士を抱き抱えて無様に喚いていたガキが。

そうだ。

お前もだナギ。

お前らが私を苦しめ続ける。

お前が生きてるから私はこんな目に合うんだ。


ああ、お前は我がブルーシア最大の仇。

アースラ先生を殺し、ナギを殺し、爆炎を殺し、ジンを殺したのもお前か。


待っていろ。

リブルムンドの全てを私が使ってやるよ。



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