第七章 I will know that you are no dreamer④
第四話 ごめんなさい
教会。
懐かしい場所。
大切な場所。
天災の魔女。
どうしてここに?
誰もいない。
『たすけて』
振り返ると、いつの間にか扉は閉まっていた。
「あなた!魔女なの!?出てきて!」
『そう。魔女。みんな魔女』
「もうやめて!やめてほしいの!」
『やめたいの。たすけて。違うよ。あなたのせいだよ』
「もう分かんない!!!」
ミレイ・ブラウは意識を持ち上げ、狭間に入る。
『ほら。聞いて。わたしたちを。触って。わたしたちに』
『きれいになりたい』
『さみしい』
『けっこんしたい』
『あのひとにあいたい』
『おかあさんになりたい』
『だいてほしい』
『ふれてほしい』
『さみしい』
『さみしい』
『たたかいたくない』
『さみしい』
『さみしい』
……。
「なんで…」
「やめ…て…。出て…いって…」
狭間なのに「みんな」が入ってくる。
痛い。
つらい。
苦しい。
ーーー
これは、どこかの魔女の声だ。
どこにでもいる、魔女の声だ。
使われ、死んでいった魔女の声だ。
女の子でいたかった魔女の声だ。
わたしと同じ、女の子の声だ。
止まらない。入ってくる彼女達の声。
これが代償なのだろう。
亜空間。
キーホルダー…!
このままじゃ壊れる!
ーーーあった…!
ラグ君。
ラグ君。
『あなたはいいの?』
『どうしていいの?』
『たくさんころしたよ?』
『たくさんうばったよ?』
『しあわせを』
『みんなのしあわせを』
『わたしのしあわせを』
ここに来ても…!
こわい。
こわい。
ラグ君、ラグ君、ラグ君。
『かえして』
『それを』
『それはわたしもの』
『わたしたちのもの』
「だめ!だめ!!渡せない!これはだめなの!!」
『どうして?』
『あなたはいいの?』
『わたしは?』
『わたしは?』
『わたしは?』
「もう…おねがい……」
……。
「ごめん…なさい」
『わたしは?』
『わたしは?』
『わたしは?』
「ごめんなさい」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」
「ラグ君」
「たすけて」
亜空間が眩しくなる。
「彼女たち」が一ヶ所に集まっていく。
身体が銃を構える。
ーーー撃っていいのかな。
撃たないとラグ君にもう会えない。
会いたい。
触れたい。
ラグ君。
わたしは、撃つ。
ーーー
ミレイ・ブラウは教会の上空にいた。
そこは「学校」の教会だった。
上空に白銀の砲身が現れる。
魔女城に向かって、放たれる。
放たれる。
放たれる。
放たれる。
魔女城が粉々に砕け、破片が漂う。
ミレイ・ブラウの意識が戻る。
魔女城の中庭から教会部分は、消え去っていた。
「なんで」
彼女の光が、二つの「学校」を飲み込んだ。




