表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/44

第六章 Will I always be there for you③

第三話 若者達

「俺はジョージの採血。報告もあるしな」

ディルはカバンから何かを探しながら言う。

ジョージはサイラスを見上げる。

「俺も付き合うか」


ジョージの「保護」が予定より早まったため、帰還予定までは二日の猶予があった。

「早く帰れってなるかもだよな。ディル中尉!外出許可を!」

ラグが敬礼する。


「ああ。ただ立場を弁えろよ。おそらく尾行も付く」「その辺歩くだけなのにな。じゃあ行こうぜ、ミレイ!」

「え、ええぇ…!」


ーー二人は軍服を脱ぎ、アリス市街を見て回った。


その姿は、ごく普通の若者の様子でしかなかった。


ーーー

夜。

用意されたディナーにはきっちりと二人が戻ってきていた。

五人で昨夜とは違った豪勢な食事を囲む。


「ジョージ、ここまでじゃないけど、軍の飯もうまいからなー」

ラグがニカっと笑う。


「ジョージはまず学校だよ。軍本部へは早くても五年後だ」

「わたしとディルの後輩だ!励みたまえ!若者よ!」ミレイが自慢げに胸を叩く。

ジョージは笑顔で応えた。


「あ、帰還だが明後日になった。九時にチェックアウト」「「やった」」

「俺はアレキサンダラス軍に行かないとだがな。お前らは…好きにしろ」

「ジョージ!どこか案内してくれよ!」

目を輝かせラグが覗き込む。


「えーっと、遊園地とか?」

「ゆーえんち?」

「マジかよラグ…」

表情を引きつらせるサイラス。


「決まりだね!やばいね!今日、眠れるかな!!」

「ミレイは子どもみたいだね」


ジョージの一言でどっと笑いが包む。


ーーー


翌朝。

四人は都市から少し離れた遊園地へと向かう。

ラグもミレイもサイラスさえも、その時間をただ楽しんでいた。


ーーサイラスとジョージがベンチ休んでいる頃、ラグとミレイはディルへのお土産を見ていた。


「このペンは?」

ネズミらしいマスコットキャタクターが描かれたペンを取るラグ。


「かわいー!あとさ、この時計とクリアファイルとー」

ほとんど全てキャラクターの描かれたグッズを次々とカゴに入れる。


「それはさすがに、じゃね?」

ラグは苦笑いしながら、ミレイが手に取ったキーホルダーを見て言う。

「きれいだなーって…」

店内の照明にかざされたのは、キラキラとガラスで構成されたネズミのマスコットキャラクター。


「じゃあそれはミレイ用だな」

ラグは手から取りカゴに入れる。


ーーー

夕刻。

ホテル。


大量のお土産を苦笑いで受け取ったディルの部屋をあとに、ラグとミレイはそれぞれの部屋に向かっていた。


「ラグ君、これ…」

俯きながら例のキーホルダーを差し出す。


「これミレイのだろ?」

「わたしのもあるよ。これ、は…ラグ君の」

ポケットからもう一つのキーホルダーを取りだす。


「お揃いじゃん!ありがとう!」

ニカっと笑い、受け取り、


「じゃ、またあとでな」

ぷらぷらとキーホルダーを顔の前で揺らしながら戻っていく。


「……もうっ」

ラグの背中に向かって、ミレイは小さく呟いた。


若者達の夜が終わっていく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ