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第三章 The small soldiers march②

第二話 魔女

「変な風…」

ミレイの呟きに、ラグは視線を向ける。


ディルは通信を受け、拠点テントから少し離れて応答していた。

サイラスはディルの変化を察し、背負っていた剣を腰へ回した。


「偵察だ。C地点を襲撃している魔女の能力を確認する。交戦準備」


テントに戻るなりディルは、リュックから装備を取り出し、淡々と身に着けていく。

ラグはマントを外し、肩を回した。

口元がわずかに吊り上がる。


「ラグ君…」

小さなミレイの声は、どこか不安を帯びていた。

ラグは振り返り、ニカっと笑みを見せる。


「ミレイ、何使う?」

装備を整えたディルが問う。

「……あの辺の岩。とりあえず五個かな」

「よし。戦闘陣形で前進する。行動開始」


前方左にサイラス、右にラグ。中央にディル。その背後にミレイ。

ミレイは二メートルほどの岩を五つ、背後に浮かせたまま従わせる。

四人は、戦場へ向かった。


途中、五名程度の分隊に二度遭遇するも、これを突破。

負傷も消耗も浅く、ディル班は進行を続ける。


ーーー


ーー銃声と金属音。

やがて、倒れたリブルンド兵が視界に入った。


動かない。

目立った外傷はない。

ディルはしゃがみ、わずかに眉をひそめる。


「……何でやられた」


「たぶん魔力回路。壊されてる」


ミレイが兵士に触れる。


「呪法かも」


「ブルーシアの魔法陣か」


「うん。リブルムンドにも使う人いるけど。足元にも上空にも出る。範囲も読めない。とにかく、魔法陣から攻撃が来るって覚えてて」



嫌な予感が空気に混じる。


再び前進、


――その時だった。



「あああああああああ!!」



断末魔が、すぐ近くで響いた。

砂埃が流れる。

数メートル先の高台。

ブルーシア軍の女性兵士と、二メートルを超える大男が二人。

リブルムンド兵三人の背中が、糸が切れたように崩れ落ちる。


と、同時。


ラグの拳が大男の胴へ捻じ込まれる。

鈍い衝撃音。

巨体が折れる。

さらにもう一人、頭部が弾け飛んだ。

ラグの突き上げによって。

ディルは女兵士へ照準を向け、即座にライフルの引き金を引く。


――!

重い破裂音が戦場に轟く。


弾丸は女兵士の目前に顕現した魔法陣に弾かれる。

ディルは全身へ魔力を流す。

新型の銃に持ち替え、魔法陣を狙う。


女兵士は、愉しげに笑った。


「そこに魔女がいるのに。偵察かい?」


女兵士の不遜な笑みに、ミレイの背筋を冷たいものが走る。


「来るぞ!上!」

サイラスが叫ぶ。


女兵士の上空に魔法陣が広がった。

しかし、

魔法は放たれず、

ディル班陣形左側。


砂煙の中から、突如三人目の大男が出現。


サイラスの身体が横殴りに吹き飛ぶ。


鈍い音を置いてサイラスは吹き飛ばされる。


陣形は崩れた。



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