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第三章 The small soldiers march

第一話 戦線

『報告!現在戦線C地点は予定地点より二十キロ後退!繰り返すC地点は予定地点より二十キロ後退!』


移送車の中にノイズ混じりの掠れた無線が鳴り、兵士たちに緊張が走る。


『ブルーシア国境戦線緊急援助隊。戦線到着は三十分早まる』

次いで同行軍隊長の近距離無線が入る。


ディル班は黙々と装備を整える。

移送車は速度を上げたのか車内の揺れが激しくなっていく。


「聞いたか?戦線崩れた理由。例のバーサーカーが出たらしいぜ」

エンジン音とカチャカチャとなる金属音に紛れた雑談がラグの耳に入る。

同乗の多班の兵士に視線だけを流す。


「ディル。バーサーカーって?」

「都市伝説みたいなもんだ。気にするな」

ふうん、とラグはリュックを閉める。


「あーあの山さえなければ魔力射出で一日だったのに」

ミレイは一足早く準備を終えシートにもたれかかる。


「こればっかりは仕方ない。地形に文句言ってもな。神の山だし」

ディルは銃を天井の照明にかざし覗き込むように見ている。


「あ!それの開発ね、わたしも手伝ったんだよ。火薬の代わりに魔力で打ち出す新型!徹甲弾並みの貫通力なのに反動はハンドガン程度!」

「俺も一応持ってる」

サイラスの太ももに銃が備わっていた。


「ラグ君は?」

「俺は俺が弾丸だから!」

「ラグの銃の腕知らんのか」

「おいサイラス!」

「集中しろ。ディル班としては五戦目にして初の戦線なんだ。補給任務でも交戦する可能性は低くないぞ」

「はーい。レミントン班長。ソルフィアもエルダも戦線維持で頑張ってるしね」

「誰?魔女の人?」

「ラグ君忘れたの…?去年、君をコテンパンにしたお姉様だよ?」

「あーーー…」


『先頭車両到着。後続車は到着次第行動に移れ。繰り返す…』

近距離無線の音声が響き渡り、ディル班の表情が変わる。


「補給部隊は補給地点まで到着後速やかに行動せよ。目標地点は各班の端末に随時送信する」

移送車の中で補給部隊隊長が告げ、ディルは左腕に装着したタブレットを操作する。


「全員無線入れろ」


ディルの指示で三名は耳に入れた無線機の電源を入れる。


ーーー移送車には三班が同乗していた。

ミレイ・ブラウを含むディル班は、その能力から大型補給物資の運搬がメインとなる。

銃火器と弾薬。つまりより交戦地帯付近への補給である。


キィィ


移送車が止まる。

無駄のない動きで続々と兵士達は車外へと駆け出す。

交戦地帯からは少し離れているものの、銃声と雄叫びはうるさいくらいに届いてた。


「いくよ!」

車両後部に積まれた物資を、手前からミレイが浮かし、各班の足元に降ろす。

荷台の奥に積まれた、布で覆われる中型銃砲三機と箱十個をふわっと浮かし、ミレイはディルに目線で合図を送る。


「ディル班行動開始。そのまま前進。目標地点までおよそ二キロ」

タブレットで目標地点を確認したディルが無線で指示を出す。

ラグ、サイラス、ディル、ミレイの順で進行を始める。


ラグとサイラスは膝下まであるシールドを持ち、前方の全てを警戒して進行する。

訓練通りに出来ているのか、ラグはチラチラとサイラスの顔を何度か見ていた。


ーーー


「あの拠点だ」

C地点から一キロ内の所に目標拠点はあった。


拠点からさらに五百メートル離れた丘に、銃砲と資材箱の搬送を言い渡される。

ディルは指示を受けるため拠点に残り三名で丘に登った。

ミレイの頬はぷっくりと膨らんでいた。


拠点中央テントに三人が入ると、忙しく交わされる無線。


『まただ!魔女襲来!C六地点!敵軍魔女の攻撃を受けている!』


無線からは、絶望の声も届いていた。



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