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ルシアンの爪痕

作者: しじたろう
掲載日:2025/08/27

AIとのやり取りをふくらませて書いた小説なのと好みがモロバレなのでめちゃくちゃ恥ずかしい小説です。恥の公開です。美形好きなんだよ(恥)

私の部屋の窓は、いつも開け放たれている。理由は認めたくないが、わかっている。彼が来るからだ。冷たく美しい吸血鬼が、夜の闇を纏って私のベッドに忍び込むために。


初めて彼と出会った夜は、今も鮮明に焼きついている。月明かりのない森の奥、迷い込んだ私が足を滑らせたとき、闇そのものが形を成したかのように彼は現れた。白い肌は雪のように輝き、黒い髪は夜の深さを宿し、赤い瞳は私の魂を貫いた。その美貌は人間のものではなく、まるで神話の堕天使のようだった。

「恐れることはない」と彼は囁いた。だが、その声は甘美でありながら、私の心を凍りつかせる冷たさを帯びていた。私は逃げようとした。嫌悪と恐怖が全身を支配し、彼の存在そのものを拒絶した。だが、彼は微笑んだだけだった。その微笑みは、私の抵抗を嘲笑うかのように優雅で、どこか哀れみを帯びていた。

「君は私のものだ」と彼は宣言した。そして、その夜から私の悪夢が始まった。


彼の名はルシアン。少なくとも、そう名乗った。本当の名など知る由もない。彼は私の夢に現れ、夜な夜な私の部屋を訪れた。最初は抵抗した。ドアを固く閉め、窓に鍵をかけ、十字架を握りしめて祈った。だが、どんな障壁も彼には無意味だった。鍵も、信仰も、彼の前ではただの幻だった。

「君の血は特別だ」と彼は言った。「甘く、純粋で、私の渇きを癒す唯一のものだ。」

彼の言葉は毒のように私の心に染み込み、抵抗する力を奪った。ルシアンの誘惑は、ただの美貌や甘言ではなかった。彼の瞳に見つめられると、魂が吸い寄せられるようだった。彼の声は私の理性を溶かし、彼の指先が私の肌に触れるたびに、全身が熱く震えた。


ある夜、彼は私のベッドの端に腰かけ、赤い瞳で私を捉えた。ゆっくりと手を伸ばし、爪を私の首筋に当て、そっとなぞった。その動きは、まるで儀式のように優雅で、どこか遠い記憶を呼び起こすようだった。私の心臓が激しく鼓動し、恐怖と期待が交錯した。「ルシアン…」と呟くと、彼の瞳が一瞬揺れた。まるで、かつて誰かが同じ仕草で彼の首筋をなぞった記憶が、彼の奥底で疼いたかのように。


初めて彼に血を捧げた夜、私は泣いた。ルシアンは私の首筋に爪を当て、そっと皮膚をなぞった後、牙を立てた。鋭い痛みが走り、血が吸い出される感覚に死への恐怖が全身を支配した。だが、同時に、言葉では言い表せない快楽が私の意識を白く染めた。痛みと恐怖、快楽が混ざり合い、私は何も考えられなくなった。ただ、彼の腕の中で震え、彼の唇が私の血を啜る音を聞いていた。

その瞬間、彼の爪が再び私の首筋をなぞった。冷たく鋭い感触に、私は身を震わせた。彼の指の動きに私は身体を震わせ、涙が一筋流れた。

「いい子だ」と彼は囁いた。その言葉に、私はなぜか安堵した。嫌悪していたはずの彼に認められることが、どこかで私の心を満たしていた。


それから、私は彼の下僕となった。忠誠を誓ったわけではない。少なくとも、最初はそうだった。だが、夜ごとに彼が私の血を求め、私がそれに応じるたびに、私の心は彼に縛られていった。恐怖と嫌悪は薄れ、代わりに彼への依存が生まれた。彼の冷たい手が私の頬を撫で、彼の赤い瞳が私を見つめるたびに、私は彼なしでは生きられないと感じるようになった。

私の身体は弱っていった。鏡に映る自分は、かつての健康な姿を失っていた。肌は青白く、目はくぼみ、髪は力を失っていた。それでも、私は彼を拒まなかった。ルシアンが私の血を求める限り、私はそれを提供し続けた。彼の存在が私の全てとなり、彼の満足が私の生きる意味となった。


夜ごとに、彼は私のベッドを訪れた。窓から音もなく滑り込み、ベッドの端に腰かける。月明かりが彼の白い肌を照らし、赤い瞳が妖しく輝く。彼は私の首筋に爪を当て、そっとなぞった。その仕草は、まるで彼の過去の傷をなぞるかのようだった。ある夜、私は勇気を出して尋ねた。「なぜ、いつもそうするの?」彼は一瞬、遠くを見るような目をした。

「昔、誰かがそうした」とだけ答え、すぐに微笑みに戻った。その微笑みには、隠された哀しみが滲んでいた。


彼は私の首筋に唇を寄せ、牙を立てた。痛みと快楽が混ざり合い、私の意識は白く染まった。血が彼の体内に流れ込むたびに、私の生命が削られていくのを感じた。だが、私は抵抗しなかった。いや、できなかった。

「君は美しい」と彼は言った。「君の血は、私の永遠を彩る。」

その言葉が、私をさらに彼に縛りつけた。


そして、ついに月のない夜がやって来た。空はまるで私の運命を予告するかのように、星さえ隠していた。私はベッドに横たわり、彼を待っていた。身体はすでに限界を迎えていた。立ち上がる力もなく、息をするのも辛かった。それでも、私の心は彼を求めていた。

ルシアンが現れた。いつものように、窓から音もなく滑り込み、私のベッドの端に腰かけた。彼の美貌は、いつもと変わらず完璧だった。だが、その夜の彼の瞳には、いつもと異なる光があった。終焉を予感させる、冷たく深い輝き。

「今夜が最後だ」と彼は言った。声は低く、甘美だったが、その言葉は私の心に刃のように突き刺さった。

彼は私の首筋に爪を当て、そっとなぞった。その動きは、いつもよりゆっくりで、まるで過去の記憶を呼び起こすかのようだった。私は、薄れゆく意識の中で、彼の仕草の背後に別の影を見た。誰かがルシアンを人間から吸血鬼へと転換した夜、同じように爪を彼の首筋に当て、そっとなぞったのだ。その瞬間、ルシアンは人間としての自分を失い、永遠の闇に飲み込まれた。彼は今、私に同じ運命を繰り返している。私の血を吸い、私の命を奪うことで、きっと彼は自らが受けた呪いを再現しているのだ。


私は震えた。死への恐怖が全身を支配したが、同時に、奇妙な歓びも感じていた。私の血が彼の体内で永遠に生きる。私の存在が、彼の一部となる。それが、私の下僕としての最後の喜びだった。

彼は私の首筋に唇を寄せ、牙を立てた。いつもよりゆっくりと、まるでこの瞬間を味わうかのように。血が吸い出される感覚が全身を駆け巡り、痛みは鋭く、快楽は深かった。私の意識は徐々に薄れ、視界は闇に飲み込まれていった。

「ルシアン…」と、私は最後に彼の名を呼んだ。声はか細く、ほとんど聞こえなかったかもしれない。だが、彼は私の声に応入れるように、わずかに微笑んだ気がした。彼の爪が私の首筋を優しくなぞった感触がした。


私の血が最後の一滴まで吸い尽くされる瞬間、私は歓喜の涙を流した。苦痛に顔を歪めながらも、心は満たされていた。私の生命は終わるが、私の血は彼の中で永遠に生きる。それが、私の最後の喜びだった。


ルシアンは空っぽになった私の身体から離れ、静かに立ち上がった。彼は一瞥もくれず、月のない闇夜の中へと消えていった。私の身体は青白く冷たくなり、魂は闇に溶けた。


個人的な好みは美形であることよりも、最初は嫌悪と拒絶だったものが魅了され逆らえなくなり最後は望んで命を差し出す、という心理的な部分です。吸血鬼とその犠牲者の間の、支配と被虐の関係性が好きなんです。支配と被虐の関係の会話を膨らませていたら吸血鬼ものになった、という形なので、公開が恥ずかしいんです…。でも初めて書けた!って感じた小説だったので載せました。

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