049
雷鳴師の中で、一番背が高く若いグラ。
武器の扱いは、どれも手練れのグラ。
帝国の中でも戦いに優れたグラが、僕の背後に立っていた。
だけど持っているのは、彼が生弾扱う銀製の武器ではない。
それは無機質な針を握り、僕の背後に立っていた。
影のある顔で、僕を見ていた。
「教えてくれ。君が、ワイヒラウ将軍を倒したのか?」
「無論だ。最もワイヒラウ将軍だけが、邪魔ではない」
「僕たち雷術師を裏切って……」
「初めから、俺は雷神だ」堂々とグラは、はっきり言い放った。
少し遠くでイグあるは、身構えていた。
傷だらけのイグアスも、明らかに嫌悪感のある顔を見せていた。
「では、君がフェードを滅ぼしたと?」
「ああ、フェードか。確か三英雄が眠る滅びし町」
「そこを滅ぼしたのは君か?」
「多分な」
「ずいぶんと、他人行儀な言い回しだな」
僕はそれでも、怒りを殺して向き合っていた。
グラは、どこまでも悪びれた様子がない。
既に、グラは大きな針を振り下ろそうとしていた。
それに反応して、僕はトレノを抜いていた。
抜いたトレノが、長剣の形で針を受け止めた。
「残念だよ、ダンタリオン」
「まさか君が、赤雷の雷神ママガランだったとは」
そんな針を持つグラに、突然雷が落ちた。
赤い雷を見た瞬間、僕はバックステップで離れた。
赤い雷を頭から受けて、グラの顔つきが大きく変わっていた。
「そうだとも」雷に打たれたグラは、笑っているようだった。




