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雷の鳴る帝国  作者: 葉月 優奈
一話:青雷のベルーナ
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レモフィラの村で、一番立派なレストランに僕は来ていた。

木造の建物が多い田舎村だけど、建物は豪華に飾り付けられていた。

村の大通りに面していて、テラスも見えた。

ここでは、村で名産の野菜を使った料理がいろいろ振舞われていた。


僕は、イグアスとここに招かれた。

僕も茶色のコートを着ていた。

イグアスは、水色のコートを着ていた。

このコートは、雷鳴師でもある僕らの制服だ。


奥にある立派なテーブルで、僕はイグアスの隣に座っていた。

このレストランは、もともと帝都で修業したシェフが開いた高級店。

そこに案内したのは、老人の男性。老人の男性が、テーブルの前に座っていた。


「ようこそ、わしらの村レモフィラに。

長として、すでに雷獣討伐していただきありがとうございます。雷鳴師様」

出てきたのは、長『デーレス・レモフィー』だ。


名前だけは知っている、この村の村長。

三十年ほど、この村を治めていた老人だ。

いかにも金持ち風の老人は、社交的に笑みを浮かべた。

白い眉の老人は、僕らに何度も手を差し出した。


「まあ、あたしたちの仕事としては当然よね」

差し出された手を握った、イグアス。


「僕らは、雷鳴師だからな」

「雷鳴師様、本当にありがとうございます」

再び、頭を下げたデーレス。

このレストランに招いたのも、村長であるデーレスだ。


「いえ。僕らもこんなに贅沢な料理ありがとうございます」

「まあ、なかなかよね」

「イグアス……」僕は、イグアスに注意をした。

テーブルの目の前に、もてなしの料理が並ぶ。

野菜料理も肉料理も、香ばしい香りがしていた。


「レモフィラの雷獣は、いつごろから増えたのです?」

「ここ、二週間ほどです」

「なるほど」

僕ら雷鳴師には、専用の情報網があった。

村長から聞いた情報は、情報網で得た報告とほぼ一致していた。


「青い雷が、多いのですね」

「ええ、わしらの自警団もおりますがとても歯が立たなくて。

雷獣を専門に戦う雷鳴師様は、本当にお強い。いやあ、お見事です」

デーレスが、僕ら雷鳴師を持ち上げた。


雷鳴師は、国の専門機関だ。

雷獣を倒すための組織で、僕もイグアスもここに来ていた。


「青い雷は、確か……」

「『青雷のベルーン』という雷神に、聞き覚えは?」

「さあ、わかりません」

雷の色には、何種類か存在した。

白、赤、青、様々な色が存在した。


そのすべてには妖精が存在し、雷獣にもまた雷の色があった。

僕がさっき倒した雷獣も、青い雷だ。

その雷の色は、呼び出した雷神と一致する仕組みだ。

獣に対して雷を落とす雷神には、名前があった。


「でしょうね。でも、この村にいる可能性が高いわよ」

「そうですか」

「最近の襲撃履歴は?」

「それですが、自警団の…」

「私が説明します」

僕らのテーブルに、一人の人物が近づいてきた。

それは、真っ黒いフードを着た人物が僕らのほうに近づいてきた。



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