【第1編・第3章 : 演劇クラブ】
これは小説「変卒」の第3章です
「で、俺たちは何をするの?」とゼイが聞いた。
サイアはすぐに答えた。
「来月の展示会で演劇をやるのよ!」と元気いっぱいに言った。
「そ、そうだ、これは約束してた980円。」
そう言って、俺にお金を渡してきた。
もちろん、俺はそれを受け取った。
***
ハハハハハ!!! みんな今、何が起こってるか混乱してるだろう!? そう、普通ならここには説明のセリフがあるはずなんだ。
でも作者がその会話をカットしたんだよ、なぜかって!? もちろん、作者がめんどくさがったからだ!!
本当はサイアとの報酬の話があるんだ。二人クラブに入れてくれたらお金くれるって話。
でも怠け者でナマケモノ似の作者がそれを書くのを忘れて、面倒がった結果——俺が説明するハメになったんだよ!
―くそっ!!
***
「あ、ありがとう。」
―よっしゃああ!!やっとお金が返ってきた!!しかも増えてる!!最高だ!!
ダイナは俺を2メートル離れたところから汚いものを見るような目でじっと見ていた。
「ゼ、ゼイ…もしかして、あなたお金にがめついの?」
―やめてくれ!!その言葉、心に刺さるんだよ!!
「あ、あはは…いやいや、これはただのサイアとの取り決めってだけさ。」と答えた。
「ふーん。」
ダイナは無表情で、信じてない感じだった。
―おいおい!
俺は話題を変えようと、サイアに話しかけた。
「あ、あのさ、演劇でやる話ってどんなの?」
「うーん、ちょっと長くなるから、とりあえずクラブに行こうか。」
―休み時間あと15分しかないけど、本当に大丈夫か?
俺は黙って、ダイナとサイアについていく。クラブの部室ってどんな感じなんだろうな?
サイアの見た目からして、きっと綺麗で整った部屋なんだろう。
部室の前に着くと、サイアはドアをゆっくり開けた。
そして中を見た瞬間――そこには!!
汚い部屋が広がっていた。
全然片付いてないし、床にはゴミが散乱してる!なんだこれ!?モップとバケツがビニール袋に包まれてるし!?
しかもモップには「さわるな」って書いてある!?!?
なんなんだよこのクラブは!!
作者、頼むからもうちょっと普通のキャラ作ってくれよ!!
俺は我慢して質問した。
「はぁ〜、なんだよこの部屋、サイア、なんでこんなに汚いんだよ?」
「えへへ〜、掃除するの面倒くさくてさ〜。」と笑顔で答えた。
―ダイナの反応が気になるな…。
横を見ると、ダイナは真っ青な顔で固まっていた。まるで彫像のように。
―石化してる…このクラブに入ったこと、ちょっと後悔してきた…。
「もう、仕方ない。掃除しようか。」と言うと、
なぜかサイアが鋭い目つきで俺を睨んできた。
―え、な、なんだよ?
「ねえゼイ…このクラブでは、掃除は禁止されてるって知ってた?」
サイアは真剣な顔で言った。
―はぁぁ!?ふざけてんのか!?どうなってんだよこの人たち!?
俺は横のダイナにこっそり話しかけた。
「なぁダイナ、何か言ってくれよ!!」
でも彼女は無言で、顔はますます青ざめていた。
―えぇ〜、体がカチカチに固まってる…。
...
俺はもう何を言えばいいのかわからなかった。
「はぁ〜、じゃあさ…その、演劇のテーマって結局何なんだ?」
サイアは立ち上がって、俺とダイナをソファに座らせた。運良く、そのソファはまだ綺麗だった。
そしてサイアは説明を始めた。
「えっとね、今回の劇のテーマは、アイドルをストーキングするファンの話!」
―はぁ?
「お〜、台本はもうできてるの?」と俺が聞いた。
「まだ。」とサイア。
「あ、じゃあ、今から作ろうよ!」とダイナ。
「うん、もちろん!」と俺。
―でもその前に、このクラブの部屋を掃除しないとな。
チャイムが鳴ったので、俺とダイナは授業のために教室に戻った。
今日の地獄のような一日も、ついに最後の授業だ!あと5分で帰れるんだ!!
ついに待ちに待った時間が来た!頼む、早く帰りのチャイムよ鳴ってくれ!!!
そして5分後、チャイムが鳴った瞬間、俺は帰る準備を始めた——
「どこ行くの?クラブ掃除って約束してたじゃん?」
ダイナが不気味な笑みを浮かべて言った。
―こえぇ!!!
仕方なく、俺はクラブ掃除を手伝うために戻った。
クラブの部屋には誰もいなかった。
「マジかよ、約束してたのに!!」
「え、ちゃんとみんなに声かけたの?」と俺が聞いた。
「うん。」
―まぁ、あいつらの性格的にそうなると思ったよ。
俺とダイナは二人で部屋を掃除した。本当に体力も時間もめっちゃ使った!!
でもようやく綺麗になった!
「ふぅ、やっと綺麗になった!」
「うん、そうだね。」
ダイナは無表情で俺を見つめたあと、言った。
「ねぇ、屋上でちょっと空気吸わない?」
...
「うん、それいいね。」
屋上で、俺とダイナは柵に寄りかかりながら、広がる景色を見ていた。
クラブのこと、学校のこと、ちょっとしたプライベートな話までいろいろ話した。
「…で、あの子のこと、どうするつもり?」と俺が聞いた。
ダイナは少し沈黙したあとに言った。
「クロエのこと?…そうね、彼女がアレックスに相応しいか、見極めるつもり。」
俺はさらに聞いた。
「でも、君とアレックスって、どんな関係なの?」
「…あたしはアレックスの幼馴染だよ。」
...
―あぁ、幼馴染ルートって、よく負けるよな。
「うん、ヒロインが幼馴染ってだけで負けフラグってよくあるけど…それってヒロインだけじゃないんだよね。」
俺は空を見ながらそう言った。
それを聞いたダイナは、俺の顔をじっと見て、興味津々に言った。
「へぇ?ゼイって、もしかしてフラれたことあるの?」
俺は少し寂しそうな顔で答えた。
「うん、中学の時に…幼馴染にフラれた。」
驚いたダイナはさらに聞いてきた。
「ええ!?その幼馴染って誰!?」
俺はニコッと微笑んで答えた。
「それは言えないけど…同じ学校にいるよ。」
「え〜〜!ヒントちょうだいよ!」
―ヒントか…
俺は軽く笑って言った。
「うーん…昔はメガネかけてた。」
「ええ〜、今のヒントちょうだいってば!」
「それだけ!さ、帰ろっか!」
...
そのあと、俺とダイナは家に帰り、ゆっくり休んだ。
次の日の朝。
―って、朝はやっ!!!
俺は最初の休み時間が来るのを待ってた。早く授業終われ!
あと10分!よし、もうすぐだ!
5分前になったところで、俺はこっそり準備を始めた。
3分…2分…!
そしてチャイムが鳴るや否や、俺は即効で食堂へ向かった!
―よっしゃ、やっと休み時間!!朝ごはん食べてなかったから腹ペコだよ!!
食堂で、俺はいろんな食べ物を見て選んでいた。
その時――突然、後ろから女の子が俺に抱きついてきた。
そして俺の肩越しに言った。
「ねぇゼイ、お願い、手伝って〜。」と甘え声。
俺はすぐに冷たく言った。
「離れろ。」
「ええ〜、ひど〜い、あたしは幼馴染だよ?」
「…違う、抱きつき方がキツすぎて、腹が痛いんだよ、クロエ。」
そう、俺に強く抱きついてきたのは、クロエ。
俺の幼馴染だった。
**完。**
サイア:やっと登場できた。
ゼイ:おめでとう!
ディナ:サイア、おめでとう〜。
クロエ:ちょっとみんな!この章、私も初登場なんだけどっ!
ゼイ:……
ディナ:……
サイア:あ、あぁ…おめでとう。
クロエ:み、みんな…?
次回のエピソードは2025年4月14日に公開予定!お楽しみにね、みんな〜!!