【SP01】ディナ視点 - どうして私、彼のことを知ってるの!?
これスピンオフなんですよ!!
※これは追加のスピンオフ章です。この物語は独立しており、第2章の後ならいつでも読めます。
やっほー、あたしはディイナ!これからこの章はあたしが担当するからね!
だからゼイがこのナレーションを支配するなんて思わないでよ、あははっ!
***
朝の光が私の部屋を包み込み、私はまだぐっすり眠っていたけど、あたたかい陽射しで目が覚めた。
目をこすりながら目覚めて、目覚まし時計をチラッと見たら…
「えっ!? 8時!? はあっ!?」
私はベッドから飛び起きて、慌てて制服を取りにクローゼットへ走った。
―ちょっと待ってよ!このままだと遅刻しちゃうじゃん!―
遅刻?…あれ、でも今日は…
―日曜日じゃん!?―
ああもう、目覚まし時計を見ただけで心臓バクバクだったのに…今日が何曜日か知った瞬間、なんだか疲れた。
私は天国へゆっくり戻った。うん、徹夜したせいで今日のお昼はきつくなりそう。
あ、ちなみに徹夜はアニメとかゲームのせいじゃないから!
夜中の2時まで勉強してただけ。だって、期末試験まであと6ヶ月しかないんだもん!
だから準備しなきゃって思って。
ベッドに寝転びながら、ちょっとだけスマホをいじることにした。5分だけ…って思ってたのに——
30分経過。
最悪。アニメ見てたら夢中になっちゃった…わ、わたしってこのままオタクになっちゃうのかな…?
―だめだめ!あたしはもっと生産的にならなきゃ!―
「生産的」って、よく私が言う言葉だけど…まぁ、実行したことはないけどね。
でも、ひきこもりみたいな自分を隠すために、昨日の宿題をやることにした。
私はベッドから起き上がり、椅子の方へ歩いて、カバンから教科書を取り出し、宿題を始めた。
チーン!
数分後、家の外からチャイムの音が聞こえてきた。誰だろうって気になって、急いで玄関へ向かった。
ドアを開けると、そこにはゼイが本を持って立っていた。
「やあ、ゼイ。どうしたの?」
ゼイはちょっとイラッとした顔で言った。
「お前が“いっしょに宿題やろう”って言ったから来たんだよ!この家、見つけるの大変だったんだからな!」
「え、えっと…ああ、そうだ。メッセージ送ったっけ…」
ゼイは変な顔をしてボソッと言った。
「今度から約束したことはちゃんと覚えとけよ…」
私は急いでゼイを家の中へ招き入れた。
丸いローテーブルを持ってきて、ゼイにお茶を出した。
ゼイはそのテーブルの下でおとなしく座っていた。
「はあ〜、なんでこんなこと引き受けちまったんだろうな…」
私はお茶をテーブルに置きながら言った。
「ねえ、同じクラスなんだし——…ていうか、そんなに仲良かったっけ?宿題一緒にやるほど?」
ゼイはむっとして言い返した。
「それ今になって思い出したのかよ!」
「まぁ、もう来ちゃったしね」
私は丁寧にゼイの前に座った。しばらく雑談したあと、ようやく宿題を始めた。
しばらくして、ゼイがちょっと真剣な顔をして私に話しかけてきた。
「なあディイナ…。お前って、俺のこといつから知ってたんだっけ?」
「え?」
私はペンをテーブルに置き、ちょっと得意げな顔で答えた。
「そうね、私が生まれたのが10月20日で——」
「待て待て待て!長すぎるし、なんで“生まれた時”から話すんだよ!」
私は困った顔で言った。
「だって、そうしないとこのスピンオフの文字数が足りないでしょ?」
「…続けろ。」
「でね、私は10月20日に生まれて、生まれたときは“頭がいい子だ”って言われたんだって…(たぶんね、ちょっと忘れたけど)。で、普通の女の子みたいに育ったの。」
それから何年かして、小学生の頃、私はよくいじめられてたの。
でも、一人だけ私をいじめなかった子がいて、その子は友達になってくれたの。
血は繋がってないけど、私はその子のことを“お兄ちゃんみたい”だって思ってた。
いつも助けてくれたし、教室でも一緒にいてくれて、いじめられないようにしてくれた。
「へぇ、誰なんだろうな。ちょっと気になるな」
その子の名前は…正直もう覚えてない。で、中1のときにその男の子は引っ越しちゃったんだ。
どこに行ったかもわからなかったけど、中学では新しい親友ができたの。
その人の名前は…(今は言わない、ネタバレになるから)。その子は前の子の代わりみたいな存在だった。
私はその子のそばがすごく落ち着くようになって、そして中2のとき、また会ったの。
「待て、それって俺が転校してきた時期じゃね?…あ、でも他にも転校生いたな」
そう、そのときは3人くらい転校生がいて、その中の一人の顔を私はしっかり覚えてる。
あの顔、あの人こそ私が“お兄ちゃん”みたいだと思ってた人。でも、彼は学校ではずいぶん変わってた。
昔は黒髪だったけど、高校に入ってからは髪を白く染めてたの。
「え…?なんか…知ってるような…」
それから私は、校庭の裏でアレックスに告白したけど、振られたの。
「うん、それは聞いたことある」
私はそのあとファミマで自分の運命を考えてて、そこでクラスのある男子と会ったの。
「はいっ、終わり!どうだったゼイ、あたしの話!」
ゼイはちょっとムッとして言った。
「おい、結局俺の質問には答えてないじゃねえか!」
「ふふ、それはね、ゼイがもっと鈍くなければ気づいたかもよ?」
「はあ?」
数時間後、私たちは宿題を終わらせて、ゼイは帰る準備をしていた。
もう夕方だったし、遅くまで引き留めるのも悪いかなって思った。
「じゃあ、帰るわ」
「うん、気をつけてね」
ゼイは手を振って帰っていった。
…結局、彼は気づかなかった。それがちょっとだけ残念だった。
あの時、私を助けてくれた子は——
ゼイ、あなただったんだよ。小学生の頃、いつも助けてくれたのは。
(たぶんね…記憶違いだったらごめん)
ディナ:やっとだよ!! 今日のスピンオフもついに終わったね!
ゼイ:うん、頑張ってくれてありがとう、ディナ。すごく感謝してるよ。
ディナ:えぇ〜? どうしたの? 珍しく優しいじゃない。
ゼイ:いや、僕も君も少し疲れてるだけだよ。たぶん気のせいだ。
ディナ:ふ〜ん?
ゼイ:…そんな目で見ないで、お願いだから!
次回のエピソードは2025年4月12日に公開予定だよ。お楽しみに!
(ん? 第2話にも第3話の公開日を書いてなかったっけ?)