前へ目次 次へ 9/45 9 行きの電車の中ではそれほど飲み食いはしなかった。そろそろ腹が減ってきたところにいいにおいが立ち込めて来た。豚肉の味噌漬けで有名な安田屋だ。 「昼、どうする?」 そう言った組長の腹の虫が鳴く。 「そこの安田屋を入ったところ…」 「パリー食堂でしょう!」 日下部が提案しようとすると、小松が即座に反応した。 「そう! そこでどう?」 パリー食堂。昭和レトロな洋食屋。 「先ずはビールでしょう」 反対する者など居るわけがない。