第20話 「なぜ裏切った??」
ブルクーヴァン帝国軍の軍勢は、20万近くの海兵達と魚人軍の集まりだった。艦隊も姿を現すと、レーゼロ・ドゥルエス卿の指示通り、魚人の精霊部隊の魚人達も、一斉に襲いかかってきた。ルーウェルは、アトラスに向けて機関銃を放った。何発もの弾丸をアトラスは避けると、2人は対峙した。
「お前はなぜ俺に近づいた??なぜ裏切った。仮にブルクーヴァン帝国の為だとしても、お前の目的は、初めから、陸上人の殺戮だったのか??」
「そうだ。騙されたのはお前の方だ。馬鹿なお前は私に騙された。私を彼女とした。陸上人である分際で、私と結ばれる訳がないのはわかっていただろう。それを騙されたのはお前だ。さあ、アトラス!!!その力を解放しろ。お前に眠る、ドラゴンの力を!!!!」
ルーウェルは、機関銃を一気に撃ち放っていった。ルーウェルが所持する機関銃から放たれた弾丸は、周辺の兵士達を次々と撃ち殺していく。凄まじい勢いで、兵士達の軍服から鮮血が溢れ出る中、ルーウェルの持った機関銃の銃口が、アトラスの目の前で止まった。アトラスは、ふと息を潜めた。アトラスが正面に見つめる先には、再開したはずの櫻井花音の姿があったのだ。ルーウェルは花音の人間の姿へ変化していた。
「花音!!!、、何故だ。何故、、俺を騙した???答えろ。お前を殺したくない。俺はずっと、、ずっとお前を、、、探してたんだぞ。どうして裏切った??」
アトラスは、機関銃の銃口を突きつけながら、花音へ問い詰めた。
「あーー!!!うるせえな。お前なんかよ、別にどうでも良かったんだよ。あたしはね、ただ、帝国の命令に従っただけ。それ以外のなんでもないの。あんたら陸上人が気に食わなかっただけさ。まああんたは、あたしに騙されて近づいたけどね。さあどうする??私を殺すか。お前がこんな世界にまで来させた、私を目の前で、、撃ち殺すか??」
ふとアトラスの頭を過ぎったのは、クルーズに乗っていた時の事だった。
(しかし、折角からエーゲ海とかアドリア海とかにしても良かったんじゃない??)
「答えが出ないんならあたしが殺してやるよ!!!!」
花音は、機関銃の、引き金を押した。その瞬間、無数の弾丸が一気に放たれた。しかしアトラスは、目を瞑った時には、アトラスの目の前にいたのは、セーレアであった。
「アトラス様、、、、ダメです。騙されてはダメです。この女は、、あなたを騙していたんですよ。目を覚ましてください!!!!」
セーレアの身体から血が吹き出していた。
「セーレア!!!花音、、、お前、、、よくも、、、、俺の、、仲間に手を出すなら!!!お前を止める!!!俺がこの手で!!!」
「面白いな。相手してやるよ。ただし、、てめえを殺すのは、、この私だがな!!!!!」
すると花音は、機関銃を持つと一気に弾丸を放った。アトラスは、弾丸を避けながらも次々と同じように撃ち尽くしていく。しかし、花音は避け切りながらも、弾丸同士が激しくぶつかっていくと、帝国軍隊隊員のフルメタルフェイスを次々と破壊していく。2人は、接近戦で撃ち合いながらも、必死に、弾丸を避けながらも撃ち合っていく。そして花音はシャチの魚人へと姿を変えていくと、口から、一気に破壊砲弾を放っていく。
「ဒီကိန်းဂဏန်းကမင်းကိုသတ်ဖို့ပိုလွယ်သင့်တယ်။ မင်းကိုအမြဲတမ်းစောင့်နေတယ် handကရာဇ် Duvels ဖန်တီးခဲ့သောလှပသောကမ္ဘာကိုဤလက်ဖြင့်ဖျက်လိုက်သည်။ Die! ! ပြည်သားများ၊ ! ! !
《この姿の方がお前を殺しやすいはずだ。私は、ずっと待っていたのだ。デュヴェルス帝が作る美しい世界を、、そのために邪魔な存在をこの手で抹消する。死にやがれ!!陸上人が!!!!》」
「死ぬのは、、お前だぁ!!!!!」
アトラスは、ソードを使うと、ルーウェルの腹にソードを突き刺したのであった。最悪な形での再開。これが会いたかった彼女との再開なのか。ルーウェルの姿は、直ちに花音の姿へと変化した。アトラスの剣先は、花音の腹を、貫いていた。花音は、お腹から血を流しながら倒れるのであった。
「なんでだよ、、、、なんで、、、こんな、、、俺がこの手で、、お前を、、俺は助けたかった。お前の事を、、、。どうして俺に近づいたんだ。お前は一体俺に近づいて何がしたかった??答えろよ!!!!!
俺は、、お前を殺したくない!!!!」
「いいんだ。もう貴詞、、、、、お前に殺される事は、わかっていたから。だから、、、、世界は、、、、終わる。この世界、、、地球は、、、滅びる、、、、、」
最後に力尽き、花音は倒れた。全ては、自分に封印されている海龍を呼び起こす為に、ルーウェルは、陸上人に化けて、高見澤貴詞へと近づいた。そしてその貴詞によって殺されるという最後。哀れだった。
「花音!!!!!」
アトラスは、叫んだ。
「終わらせるかよ!!
終わらせねえ!!!お前らなんかに、、滅ぼさせはしねえ!!!ブルクーヴァンは、、、俺がぶっ潰す!!!」
アトラスは、強く立ち上がった。そこへ、セーレアとブレイハがやってきた。
「アトラス・ブリュシエスタ。こんなことになる前にお前には知らせて置けばよかったな。」
「おい、、、、騙してたのかよ???俺に本当の事を教えなかったのも全部、、、これのためかよ!!!!おい、、本当のこと言えよ!!!そんな大事な事なんで初めから教えなかったんだよ。ずっと信じてたんだぞ。こいつの事も。ずっと、、俺は、、俺は、、また
騙された。畜生!!!!!!」
「櫻井花音。奴が食い尽くした陸上人の名前だ。1年前、、ブルクーヴァンの鬼核団発射実験が行われ、黒海を通行していた1隻の豪華客船に激突する事故が発生した。その時、沈没していた船は、ブルクーヴァンの底に沈んだんだ。その船に、残っていた焼死体を魚人は食い尽くした。奴は、その時の死体を喰い、その死体に擬態する力を得た。魚人の中でも、精霊部隊は、人間を喰い、人間に化ける力がある。奴は、陸上人に擬態し、陸上で生活する力を得たのさ。心と魂を と記憶を、奪い取ったんだよ。全てはブリュシエスタ、お前を海底へ引きずり込む為だった。」
「ふざけんなよ、、、そんな事の為に、、俺を利用するくらいなら俺を陸上へ帰らせろよ。俺は、、お前らの道具じゃねえ!!!!!」
するとその瞬間、ブレイハは、アトラスを殴り付けていた。ブレイハの拳が、アトラスの顔面を殴り付けた時、アトラスは、不意に気づいたのだった。
「お前しかいないんだよ。頼む。この世界を、地球を救ってくれ!!!!」
ブレイハは、力強く叫ぶのであった。




