第12話 「女の剣士」
女の剣士は剣を握ると、高速で、フランチェスカへ斬りかかった。フランチェスカは凄まじいスピードで斬られ、翼を失った。
「何??私の翼が!!!お前、一体、何もんだ??」」
「私は、ブレイハ・ルーメンベッカ。コミュテーの海兵の1人、魚人の暗殺部隊のあんたを殺すためにね。そこの男の味方よ。」
その格好は、アトラスと同様海兵の軍服を着ていた。ボブの茶髪。腰から下げているアビリティソードみるからにして強さが滲み出ている。
「アトラス・プリュシエスタ、あんたは、今すぐその修道女を連れて逃げさなさい。私がそいつを倒す。あんたは今すぐ海兵本部に行くのよ。市民の救護を優先させること、いいわね。」
「お、おう。ありがとな。」
アトラスは、クラリスを連れて、逃げ出した。辺りの建物は燃えており、所々に、被爆者達がウヨウヨしている。建物が、燃え盛り火の海と化した中、アトラスとクラリスの前に火が立ち塞がった。
「うぅぅぅぅぅ、、、、、ぅぅぅぅ、、、、
ぅぅぅぅぅ、、、、ぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
「うぅぅぅぅぅぅぅぅ、、、、、助けて、、、、、助けて、、、、、、」
アトラスは、炎の中から1人の少女の声を聞いた。燃え盛る炎の中から、全身を焼かれた少女が、叫んでいる。
「おい、大丈夫か!!!!
クラリス、お前確か、術式使えるんだったよな。水は??火は消せねえのかよ!!!
ここは海底だろ!!水の中だろ!!!なんで炎が出てるんだ???」
「ここの世界の炎は水の力では消えないのです。だってここの世界はシールドで覆われて、一切水に干渉できないのです。ですが、水を生成させればそれは可能です。水性の術式
(アクアヴィット)のノーザンホールを作動させましょう。」
クラリスは水性の術式を発動させた。すると、水流が発生し、炎を消すように水が溢れていく。
「やったこれで水が消えていく。おい、大丈夫か???」
アトラスは、焼けただれた少女を助けた。少女は黒焦げになっているがまだ意識は朦朧としている。
「たとえどんなに困難な状況でも助からない命なんてねえ。俺は助ける。絶対に。
無線だ。」
アトラスは無線を飛ばした。しかし無線は繋がらない。しかし電波が悪いのだろうか。それとも誰かが意図的に切ったのか。
「ちくしょぉぉ!!!!頼む、繋がってくれぇぇぇ!!!!」
「無駄だぜ。この困難な状況でそんな事がある訳ねえだろ。見つけたぜ、陸上人よォ!!!」
背後に忍び寄る大剣を持つ巨大な魚人。3m近い、身体を忍び寄せると、アトラスの背後に現れた。そうブルキエラ海原で多くの海兵を殺戮した。魔魚人最強の魚人。右席のブルキッシュが現れた。
「なんだ、お前は??」
アトラスは質問を投げかけた。
「俺はブルキッシュ。てめえを殺せって、大将から命令受けてんだよ。その為には、そこの胡散臭せぇユリウス教徒もぶっ殺すがなァァァ!!!!」
大剣を振り下ろすと、地面へ振り下ろした。凄まじい衝撃波が襲うと、辺り一面の建物が崩壊した。アトラスはソードを抜き、シールドを形成すると崩落する瓦礫を防いだ。
「てめえ、いきなり何すんだ???
一体何が目的なんだよ。」
「あ???
聞いてねえなら教えてやるよ。俺たちは魚人の中でも魔術を操る能力を手に入れた集団、その名を魔魚人っつってなあ。その中でもルドゥリナブー配下のの最も強い5人の魔魚人を右席って呼んでんだ。
俺はその中でも聖天使ミカエルの翼を授かっている右席のブルキッシュだ。言っておくが、俺は、この大剣でたくさんの人間の命を奪ってきたんだからなァァァ!!!!!」
凄まじい雷と共に大剣は形状の変化を遂げた。
太刀は2つのギルガメッシュソードへと変化した。剣の大きさは2m近くなり、横幅も50センチを超えていた。ブルキッシュは両手で構えると、アトラスの方へ振り下ろした。アトラスはシールドでその攻撃を防いだが、あまりの威力に、圧倒された。
(なんだ、こいつの力は、とてつもなく強ぇぇぇ。無理だぁ、くそぉぉぉぉ)
シールドは破壊されると、アトラスを直撃した。アトラスは凄まじい勢いで建物へ吹っ飛ばされた。
そしてブルキッシュはクラリスの方へと接近した。そしてギルガメッシュソードをクラリス目掛けて振り下ろした。するとその攻撃はクラリスを直撃した。クラリスは右半身を両断され鮮血が飛び散った。凄まじい勢いで首、両腕を切断すると、クラリスを左手で持ち上げぐしゃぐしゃに握りつぶした。そして口へと持っていくと、喰い尽くした。
「クラリス!!!!!!!!!」
アトラスは目の前の光景が理解出来なかった。
ついこないだまで命を助けた修道女が目の前で
殺害され、肉片と化した。そして、ブルキッシュは辺りの、被爆者の焼死体を持ち上げるとどんどん喰いつくしていく。
「てめぇぇぇ!!!!!!!よくもクラリスを!!!!!」
アトラスを燃えるような赤い閃光が包んでいく。一気に疾走すると、ブルキッシュの背後へ瞬間移動すると、凄まじい斬撃を放った。
斬撃は、ブルキッシュを直撃したが、一切通用しない。ブルキッシュは、斬撃を跳ね返すと、周囲の建物へとぶつけた。
「そんな雑魚みてぇな攻撃じゃ、俺は倒せねえぞ。言っただろ。俺たちは魔法を使える魚人。てめえの攻撃だってとっくにお見通しなんだよ。ゴミがァァァァ、イハハハハハハ。」
ブルキッシュの斬撃は、アトラスを直撃する。アトラスは、200メートル近く飛ばされと燃え盛る瓦礫の中へ落下した。
ブルキッシュは、凄まじい火炎弾と砲弾を生成すると、アトラスのいる瓦礫に向けて放った。
「これが俺の最強!!!!喰らって、灰にでもなりやがれェェ!!!巨神の砲撃!!!!!」
凄まじい爆発が発生するとアトラスは爆風に巻き込まれた。爆風を防ぐ為に、シールドで防いだが、攻撃を防ぎ切らず建物の壁に叩きつけられた。
だがブルキッシュの背後に現れた人影は、ブルキッシュを捉えていた。




