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第10話 「崩壊したナルティ・ミダリナ」


アトラスは凄まじい爆発音で目が覚めた。周りの、教会は核ミサイルにより壊滅的な被害を受けていた。

核のメルトシールドを発動させたのは、クラリスだった。ユリウス聖教の術式を唱えたのでアトラスとスタンフォード、クラリスは、被害を最小限の抑えることができた。


「ちょっと、なんだよ、これは。」


「ミサイルが落とされたのでしょう。いや、核爆弾と言った方がいいのでしょう。」


その凄まじい光景にアトラスは言葉を失った。先程まであった教会は姿を消し凄まじい程までの焼け野原と化していた。

ナルティ・ミダリナの街は、一瞬にして、消え去った。そして辺りには、被爆して全身の皮膚が垂れ下がった被爆者達、全身大火傷を負った、人々の数々が溢れ変える。

燃え盛る炎の中、潰れるような家の数々。かつて何度も黒海を襲った、空襲とは比べ物にならないほどの凄まじい地獄絵図にアトラスは耐えられなかった。


「嘘だ。そんなの嘘だ。さっきまで、変わらなかったじゃないか。俺の知っている街はこんなんではなかったはずだ。俺は一体夢を見ているのか。」


「夢ではありません。これが世界の終わり。核ミサイルの恐ろしさです。」


クラリスは語った。

スタンフォードは事態を察知したのか、アトラスへ命令を出した。


「アトラス!!核シェルターを形成するんだ、このシールド内でだ。さもなければ凄まじい熱線でお前の身体も私の身体もドロドロに溶けてしまうぞ。核の(メルトシールド)だ。海兵なら誰しも要する能力だ。アビリティソードを握り、術式をかけるのだ。」


アトラスはスタンフォードの願いを聞き入れソードを握った。そして術式を頭の中で唱えた。すると、黄色いシールドが全身を包んだ。そしてアトラスとスタンフォードの身体を覆った。


「アトラスいいか。俺達は、被爆者の命を助けなければならない。聖ユリウス教徒の治癒魔術者なら傷を治癒することもできる。だから、我々海兵は、常に放射能から身体を守らなければいかんからな。俺たちで助けられるだけの命は助けなければならない。」


スタンフォードの忠告をアトラスは聞き入れた。アトラスは、制服を装着すると、爆心地から離れた安全な場所へ、クラリスと避難した。


「アトラス様でございますか??スタンフォード将軍は一体どこへ?」


「軍本部から応援要請が入ったようで、コニュテーに戻ったよ。」


クラリスはアトラスと逃亡していくうちにアトラスへ質問してきた。スタンフォードは軍本部からの要請を受けており、コミュテー軍本部へ向かった。それは軍本部がミサイルの被害状況をコミュテー全軍隊隊員へ報告しなければならなかっだからだ。


「スタンフォード将軍、応答願います!」


応援無線が鳴った。コミュテー軍本部中央制御室からだった。彼の部下のロイス・ティードからだった。


「こちらスタンフォード・ビアード、どうした!!!」


「将軍、現在8つの街で核ミサイルが投下された模様です。ほとんどの街の公共交通機関及び、ライフラインが全てストップ。海底国のこれほどまでの崩壊は第2次黒海大戦以来です。将軍、ナルティ・ミダリナの被害状況は??」


「街は完全に崩壊した。爆心地周辺は1000°の熱線で壊滅状態。完全に焼け野原だ。」


不気味な声と同時に、全身を大火傷で焼けただれた人々が焼け爛れる遺跡の郊外を歩き回っていた。放射能を全面に浴び、焼け焦げた服に、焼きただれた遺体が地面に折り重なっている。そして燃え尽くした遺跡が音を立てて崩壊していき、市民に覆いかぶさるように崩れ去っていた。

そして魚雷の如く凄まじい爆弾が街へ投下されていくと、巨大な潜水空母が街に現れると、飛空弾を投下した。


「あれはブルクーヴァンのエルヴィアル艦隊か、くそ。ルドゥリナブーめ。。」


スタンフォードは、飛んでくる瓦礫の破片を避けた。既に、爆風が彼の身体を押し寄せ、顔に瓦礫の破片が付着する。彼にとって幼少期の光景が思い出した。第2次黒海大戦による敵襲で崩壊した街並み。ここは海底国とはいえ、水が入ってこられないように、空気の壁が作られているため、大気が存在し陸上と同様に作られている。そんな全盛期を過ごした、スタンフォードにとって、悪夢のような幼少期でなかったのだろうか。


「もう昔見たいな悲劇を繰り返すのは、ごめんだ。」


そんな中で1人の男がスタンフォードの背後に現れた。その名は、右席(ルイフェンタムーナ)のベーリュテウス・ビアンジュである。


「標的、発見。魔魚人共にでも排除させるべきかと致すか。それとも、ブルクーヴァンの剣人部隊に排除させるべきか、さあ一体どう致すかねえ。ルドゥリナブー様のご命令とあればね。さあ実働部隊661部隊よ、コミュッシェルの標的共を排除致すのだ。市民の粛清だ。」


「了解しました。」


「いざ出陣!!!」


無線から連絡を受けたのは、661部隊という名のブルクーヴァンの実働攻撃部隊だ。凄まじい勢いで戦車が出動した。戦車の台数は20台を超えていた。一斉に戦車から砲撃が放たれた。各戦車は、11機もの銃機を装備していた。一斉に破壊砲弾が放たれる。ナルティ・ミダリナのボールベルト街並みは崩壊していく。


「661部隊よ、ルドゥリナブーだ。ナルティミダリナの粛清を開始したところであろう。殲滅すべき市民は徹底的にに殲滅しろ。これは戦争だ。我々のブルクーヴァンの未来の為だ。大型艦隊、エルヴィアル艦隊も出動した。我々元老院は、帝国統一の為、国民の虐殺を実行致す。

そして粛清には、ブルクーヴァンの21の剣人。及び我々と協定を結んでいる、魚人の軍隊、滅びの帝国(ビューフェルディエンポ)だ。」


「オーバーキルか。まあ何も、力もねえ市民は俺たちに歯向かうことも出来ねえからな。」


「自動砲撃システム発動、インフィニティモード炸裂かよ。おらおら撃ちまくるぜ。このやろう。全部破壊尽くすぜ、このやろう!!!!いはははは!!!!」


661部隊のサミュット・エイバル・キルは砲撃部隊の中でも、唯一の戦闘狂だった。破壊と殺戮になんの躊躇も持たない人物だった。照準から逃げ惑う人々を見つけると、銃弾を撃ち尽くした。


「ちくしょう、何なんだよ。あいつらはよ。敵だ。敵襲だ。」


「逃げろ!!!撃たれるぞ!!!」


「巨大艦隊だ。」


逃げ惑う市民は、街の人々へ大声で叫び続けた。

アトラスは無線で連絡を受けた。


「スタンフォード将軍!!!応援要請をお願いします。ブルクーヴァンの実働部隊が大勢の戦車と共にヘルビュテッド市街へ侵攻しています。このままでは大勢が死にます!!!」


「あら、人間じゃない???珍しいわね。レディオック文書の245条では、粛清の対象とはならないか??!!!」


「なんだお前は??」


「私??まあこう見えても魚人だけどね。フランチェスカ・サーリ。スズキの魚人っていってもいいかしら??まあその胡散臭いユリウス教徒を抹殺しに来たのだけどね???」


女は、剣を抜くと、冷酷に喋った。

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