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リリィの休日
いつもどおり、目覚ましが鳴り3分たった頃、リリィはやっと起き上がったが、今日が休日であることを思い出すのにもう3分かかった。
大きく伸びをして、ベッドから下り、いつものようにコーヒーを入れる。
だが、リビングの窓から見える景色は平日とは少し違う。
子供たちは遊びに行くのかアパートの階段を楽しそうに下りていく。
ベランダで仕事前の一服をしている男の部屋はカーテンが閉まったまま。
この時間洗濯ものをいつも干している主婦は、旦那さんだろうか、ふたりで一緒にコーヒーでも飲みながら外を眺めている。
「私は、何しようかな」
リリィは、コーヒーを飲みながら寝ぼけた頭で考えていた。
(買い物?うーん。でも気分でもないし。お金最近けっこう使ってるからなあ。あんまり使わないところ・・・。あ、そうだわ)
リリィは、コーヒーを飲み干した。