61/162
空港②
「おまたせ。はい、これ搭乗券」
カケルはナナから細長い紙を受け取った。
「とうじょう・・・けん?」
「そう。なに?飛行機はじめて?」
「飛行機どころか新幹線も乗ったことない」
「へえ」
ナナはくすっと笑った。
「なんだよ。悪いかよ」
「ううん。まだまだ若いんだもの。これから行けばいいだけのことよ」
「お前もだろ」
「私はカケルと違って色んな世界を知ってるもの」
「それは」
お前がショウカンビトだから?と言葉を続けかけたが、口をつぐんだ。
「で、俺たちこれからどこに行くんだ?」
ナナは、にやあと笑ってカケルの持っていた搭乗券をあごで指した。
カケルは搭乗券を見つめ、思わず叫んだ。
「ウォーキンシティ!?」




