表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ショウカンビト  作者: 十八谷 瑠南
本章 ~カケルのお話~
57/162

おじいちゃんの言葉

カケルのおじいちゃんのお墓はカケルが住んでいるマンションのすぐ近くにある。

閑静な住宅街の端っこにある墓地はとても静かで穏やかな風がカケルの髪を揺らした。

カケルはしゃがみ込み目を閉じて手を合わせた。

「じいちゃん、俺の前にも遂にショウカンビトが現れたよ」

そう言ってカケルはすっと目を開けて墓石を見つめた。

「でも、俺には判断がつかないんだ、そいつはもしかしたら冗談でそんなことを言っているだけかもしれないし」

答えは返ってくるはずがない。

そんなことカケルもわかっている、だからこうしてカケルはここに来て想像するのだ。

おじいちゃんはなんて答えてくれるだろうかと。

(じいちゃんならきっと) 


”カケル。君は、信じるのが怖くなってしまったんだね。昔、友達に裏切られた経験から。

確かに人を信じるのは勇気がいることだ。ましてや初めて会った人間なんて。

だからこそ君は人を見定めなけれないけない。

どうやってって?

信じるんだよ、相手の前に自分を。自分の勘をね。

ただ、それだけだ。

それでもし誤った選択をしたならそれを糧に次に活かせばいいだけのこと。

そうやって自分の勘を鋭くしていくんだよ。見定めるだけの能力を身に付けなければ。

大事なのは自分を信じることだけだ”


それはカケルが昔おじいちゃんから聞いた言葉なのかもしれない。

だが、こうして問かけるとカケルの中におじいちゃんの言葉が蘇ってくるのだ。

「人を見定める・・・か」

カケルはふうっと息を吐いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ