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いつもと同じ朝?
次の日の朝もカケルは昨日と同じように起きて同じように家を出た。
これまた昨日と同じように重い足を動かして。
(変わり映えのしない一日が今日も始まる)
そう思ってカケルは学校を見上げた。
(本当に、いつまで?いつまでこんな日がつづくんだ?)
中学校は3年で卒業するというのに、その後の高校も、大学も社会人もカケルは今と同じように生きているんではないかと不安なのだ。
誰かにびくびくしながら、存在を消して生きていかなければならないのではないかと。
教室に入り、席に着く。
カケルは机に顔を伏せ目を閉じ、教室のしゃべり声を聞いていた。
「死ね」
「きもい」
「消えろ」
それは陰口だったり、その場にいる同級生に直接言っていたりいろいろだったがカケルの耳にはそんな言葉ばかり入ってくる。
(朝から気が滅入る)
チャイムが鳴り、先生が教室に入ってきたようだ。
カケルはまだ顔を上げながったが、異変に気がついた。
いつもなら先生が入ってきても喋り声は止まないはずなのに今日はぴたりと止んだからだ。
カケルは顔を勢いよく上げた。
そして、目を見開いた。




