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ショウカンビト  作者: 十八谷 瑠南
本章 ~カケルのお話~
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はじまり

ああゆう人を見ているとすぐ思うことがある。

昔聞いたおじいちゃんの話を思い出すからだ。

いつも会うたびに話してくれた。

あの唐突な出会いの話を。

その日、おじいちゃんは1人の物乞いを見た。

物乞いは誰にも相手にされていなかったが、同じ道に1週間、いや1ヶ月はずっと立って行き交う人たちに助けを求めていたらしい。

おじいちゃんはその様子をずっと見つめていた。

それでわかったことは、おじいちゃんの住む村の人はその物乞いに誰も声をかけなかったということだけだった。

むしろ、存在そのものをなかったことにしているような、そんな状態だったらしい。

そんな物乞いを見て単に同情しただけだったがおじいちゃんは遂に、物乞いに声をかけた。

おじいちゃんはいつも言う。

ここで声をかけなかったから、私はきっと一生ショウカンビトに会うことはなかっただろうって。

だから、ああやって物乞いをしている人を見ると、ショウカンビトかもしれないと僕はいつも考えてしまう。

そしてそれはきっとおじいちゃんの話だけじゃない。

僕がずっと昔からショウカンビトに出会いたくてしょうがなかったからだ。

でも、もう中学生にもなってショウカンビトをまだ信じているなんて馬鹿らしい。

妙におじいちゃんの話はリアルだったけど、きっとそれは僕を元気づけようとしていただけだったのだ。

あ、やばい。目が合った。

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