再会
公園は相変わらず、たくさんの家族連れで賑わっていた。
リリィはそんな家族連れたちに目もくれずひたすらナナの姿を探し続けた。
だが、ナナはどこにもにいない。
同情作戦を行っているいつもの場所にも。
フリーマーケットにも。
ベンチにも。
カフェにも。
「なんでこういうときにいないのよ。いつもどうでもいいときにはいるくせに」
リリィは歩き疲れて、近くのベンチに座り込んだ。
(そういえばナナのこと全然知らない)
そう。リリィはナナの素性をほとんど知らなかったのだ。
出会ったのは、リリィとメリッサのランチの帰り道で同情作戦を行っているあの場所を通りがかった時だった。
そこで、リリィはメリッサからあの子が可哀想だからなんとかしなさいと無茶ぶりをされ、仕方なくナナに声をかけたのだった。
その時にわかったことは、ナナは本当は貧乏ではないこと。これはリリィが見破った。
問い詰めると、家は金持ちではあるが親が働き詰めで相手をしてくれず、暇つぶしに行っているだけとのことだった。
とりあえず、面倒になったリリィは何かあったら家に来なさいとナナにメモを渡しその場を去り、その後ナナが家に来るようになったのだった。
(そうなのよね。私、そんなことしかナナのこと知らない)
そんな素性のわからない少女をよく家に招き入れていたなあと改めてリリィは思いながらふとナナの言葉が蘇った。
“その喋り方と顔、こわーいリリィの先輩にそっくりだね”
(そういえばナナはなんでメリッサさんを怖いなんて言ったんだろう)
「喋ったことないのに」
リリィはたしかにメリッサとのランチの帰り道にナナと出会った。だが、メリッサはナナを見てリリィに無茶ぶりをしただけでナナとは一言も交わしてはいなかったのだ。
(喋り方なんて知らないはず)
リリィは訳がわからなくなってきた。考えれば考えるほどナナの謎は増していく。
(もしかしてあの子おばけとかそういう類のものだったりして。おばけなら屋根を突き破ったり、建物から建物へ飛んでいけるわ)
そして段々と怖くなってきてしまった。
背筋に寒さを覚えたその時だった。
「リリィ」
突然背後から声を掛けられたものだから、リリィは驚いてものすごい勢いで後ろを振り返った。
そしてしかも、そこに立っていたのはナナだったためリリィは叫び声をあげてベンチからずり落ちた。




