表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ショウカンビト  作者: 十八谷 瑠南
序章 ~リリィのお話~
18/162

ナナの行方

(街の方に向かったみたい)

リリィは、ナナの後を追った。

街はまだたくさんの人で賑わっていた。

それもそのはず。今日は休日前夜なのだから、多くの人は誰も家に帰りたがらない。

そんな人ごみの中、ナナを見つけられるはずがないし、まるで空を飛ぶように逃げた

ナナがこんな人ごみに紛れるはずがない。とリリィは思った。

リリィは顔を上げて建物を見上げた。

ナナが建物から建物へ飛び移っているのではないかと考えたからだ。

そこでリリィは、我に返った。

(私、何やってるんだろう)

ふっと鼻で笑ってリリィは視線を人ごみに戻した。

(ナナがあんなところにいるはずがないし。あんな風に身をこなして飛べるはずもない。そもそもあんなこと人間ができるはずがない)

「きっと何か見間違えたんだ」

まるでさっき目撃したことはすべて夢だったんだとリリィは思い始めていた。

人がしかも知り合いが建物の屋根を突き破って飛び出してきて、そのまま夜の街に消えてしまうなど信じられるわけがなかった。

(きっと疲れてるのね)

リリィはさきほどまでの出来事をまるでなかったかのようにいつもどおり地下鉄に乗り、ふた駅あとで下り、アパートに戻った。

だがリリィは本当はわかっていた。

さっきのあの出来事が見間違いでないことぐらい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ