表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ショウカンビト  作者: 十八谷 瑠南
本章 ~カケルのお話~
145/162

変わらない教室

きっとカケルが休日を楽しむことを学んだからだろう。

学校は相変わらず苦痛なのだが、前の様な気分の重さはもうなくなっていた。

ナナも相変わらずカケルの斜めうしろの席に座っている。

ナナは全くカケルに話しかけることも見つめることもなかった。

クラスのいじめっ子もナナが初めてこの教室に来た時と変わらずナナのことを全く相手にしていない。

(ナナの奴、馴染み過ぎだろ)

相変わらずといえばこの教室。

先生の声をかき消すほどのうるさい生徒たちの声。

もちろん。授業中も。

休憩中の教室は今でもいじめっ子たち以外は息を殺している。

この変わりようのない教室がカケルは本当に大っきらいだった。

長期休暇にウォーキンシティでの素晴らしい生活を経験していれば尚更。

そんなことを考えていたカケルは教壇に立つ先生を見て首をかしげた。

(あれ?)

HRはいつもクラスの担任が行う。

だが、今、教壇に立っているのは、この学校でも一番厳しいと言われている先生だ。

カケルだけではない。

この教室にいる生徒、おそらくナナ以外どうしてこの先生が教壇に立っているかわかっていた。

(きっとあいつが何かしたんだ)

先生の低い声が教室に響いた。

「昨日、理科室横のトイレでボヤが発生した」

騒がしかった教室はさらにざわついた。

「静かにしろっ!」

先生が教壇を拳で殴りつける。

ドンっと大きな音がして、さすがの教室も静まり返った。

「今から名前を言う奴は廊下に出ろ。それ以外の奴は自習だ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ