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衝突  作者: ku-ro
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天保山 1

福寺は地下鉄中央線に乗った。どんな服装にしようか悩んだが、結局いつものコートにした。その時上島はバイクを運転していた。何分に着くのか正確に分からなかったので早めに家をでた。それぞれの行き方で待ち合わせの大阪港駅に向かった。上島はバイクをパーキングに停めて駅まで歩いた。地下を走っていた電車が地上にあがってきた。窓から見える外の景色は快晴だった。

(暖かくなるかな…)

駅についた福寺は改札をでて階段を下りた。すると階段下で立っている上島を見つけた。

「ごめん、待った?」

「僕も今きたとこ」

上島は黒のパンツに紺のピーコート、そしていつものボディーバックをななめにかけていた。

二人は天保山のほうに歩きだした。

「今日は寒さが少しましだね」

「うん。バイクでもそんなに寒くなかったよ」

「寒い日とか雨の日はバイク大変そうだもんね」

「まあ…。でも電車の混雑よりましかな」

「バイク好きなんだね」

福寺の個人的な偏見だが、上島がバイクに乗っているようには見えなかった。

「おかげで一昨日は助かったけどね」

歩いていると大きい観覧車と海遊館が見えてきた。

「久しぶりにきたー」

「僕も小学校の遠足以来やなー」

上島は時計を見た。

「まず、お昼ごはん食べよっか」

「うん」

福寺は答えた。二人は海遊館横のマーケットプレイスに入った。

「色々なお店があるね」

「見ていいよ。」

福寺は装飾品を扱っている店に入った。手作りのネックレスやブレスレットを「かわいい」と言いながら見てまわった。上島は興味がわかなかったが、福寺が楽しいのならいいかと思い、横でいっしょに見ていた。

「ごめんね。行こっかー。」

なにわ食いしんぼ横丁の中を歩いているとフードコートを見つけた。

「あそこに座るとこあるね。」

「うん。何にしよっかなー」

上島はフードコートに並ぶ店を見渡した。

「僕、うどんにするわ。」

「私もそうする」

二人はうどん屋さんに並んだ。それぞれ注文したうどんをトレイにのせてレジに並んだ。上島は鞄から財布をだした。

「こっちといっしょにお願いします。」

「えっいいよ。払うよ」

福寺は断ったが上島は「いいよいいよ」と言って支払った。

福寺は「ありがとう」と言って財布をなおした。

 二人は空いてる席に向かいあって座った。そして食事をはじめた。

「おいしいね」

福寺が言った。

「大学って楽しい?」

「高校の延長で勉強してるってかんじかな。」

「行きたかったなー」

「大学に?」

福寺はうなずいた。福寺は受験に失敗したことを一瞬話そうかと思ったがやめた。

「来年は三回生なんだね。就職活動とかかんがえてるの?」

「まだ就活は考えたくないなー。」

「何か希望とかってあるの?」

「うーん、まだこれといってないかなー。色々説明聞いて決めようって思ってる。」

「そうだね。」

「仕事大変?」

「大変。いろいろと。」

福寺は笑いながら答えた。

「もう、休みが待ち遠しい。簡単に休む訳にもいかないし、夏休み何てないからね。」

「ほんまやねー」

上島は社会人として歩んでいる福寺と自分との違いをかんじた。あと数年で自分も同じ社会人だと思うと今の状況が幸せに思った。

「高校どこいってたん?」

「高校?初穂高校」

「頭いいとこやん」

「そうかなー」

「うん」

上島は逆に大学に行ってない福寺に対して疑問がわいた。しかし考えは人それぞれなのでそこはふれな

いようにした。

「ごはん食べたら海遊館に行ってみる?」

福寺は少し考えた。

「別にいいよ。どっかで座っていろいろお話ししたいな」

「そうしよっかー」

上島は福寺の思いに従った。

二人は海が目の前に広がる広場に向かった。二人掛けのベンチがあったのでそこに座った。太陽が照り12月後半にもかかわらず寒さはましだった。

「もう今年も終わりだね。早いねー」

「うん。」

上島はうなずいたがそんなに意識してなかった。大きな船が海上を航行する姿を二人は眺めた。。

「私ね大学2回落ちたの。」

「そうなんやー」

「合格するって自信はあったんだけど駄目だった」

深刻そうに話しだした福寺に対して上島は何て答えていいか戸惑った。

「高校の友達はみんな大学に行ってるの。話を聞くとサークルとかに入って楽しそうなんだなーって思ってしまう。」

「楽しい人は楽しいかもね」

「ごめんね。いきなりこんな話して。」

「僕は大学行ってるけど別に楽しいとは思わないなー。」

「そうなの?」

「学校行って勉強だけして家に帰ってくるかんじかなー。…いつも一人やから。」

福寺も上島のトーンの落ちた声にあわせた。

「友達たくさんいてそうだけど。」

上島は首をふった。

「苦手なんかなー。」

「優しいし、そうは思えないけど」

「まーそういことやねん」寂しそうな顔をした上島はこれ以上自分の事は言わなかった。

「私も仲のいい友達は4人だけだけどね。だんだん集まる日が減ってきた。休みの日も一人のほうが多いいかもしれない。」

「僕も休みの時は一人やな。」

「よく写真撮りに行ってるもんね。」

「気楽に行動できるのはいいけどね。でも、栄子さんと一緒にいるほうが楽しいかもしれない。」

「私も了君と一緒にいて楽しいな」

福寺は上島に近づいた。並んでいる二人の体がくっついた。

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