23時 1
がやがやと話し声が部屋中に日響いた。
「福寺さんお酒のまないの?」
水田が聞いてきた。
「いやっ、飲まないわけではないですけど」
「二十歳になってなかったっけ?」
「二十歳にはなりましたよ。」
「そうなんだー」
高校の同級生と食事に行く時にはたしなむ程度だが飲むようになった。未成年という壁がなくなったことでこおいう場において自分の意思を示さないといけなくなった。
お刺身の舟盛りが運ばれてきた。斜め前の木元が携帯で写真を撮りだした。
「写真とるんや」
となりの水田が言った。
「ツイッターにのせようかなって思って」
「ツイッターしてるんやー」
「ええ、しょうもない事ばかりつぶやいてますけどね」
木元が笑いながら答えた。
「ちょっと見せてよ」
「いやですよ」
水田が木元にせがんだが木元は断った。
「私の携帯でみれるかなー。会社の悪口言ってたりして」
「私、してるから見れますよ」
福寺は携帯を取り出した。
「名前を教えてくれたら検索できますよ。」
そして冗談のつもりで福寺はツイッターにログインした。
「名前は何?」
水田が木元に聞いた。
「いいですって」
木元は苦笑いをして言うことはなかった。
(うん?メールがきてる)
何気なくツイッターをみた福寺はメールが届いていることが分かった。
(R55からだ。)
すぐに流し読みした。
「福寺さんもツイッターしてるんですね」
福寺は木元の問いかけを聞きのがした。
「えっ?」
木元はもう一度同じ事を言った。
「まあー」
「どんな事のせてるんですか」
「空の写真とか、いろいろと」
「いいですね。僕もよく人の写真とか見てますよ。」
福寺は心が騒ぎ動揺していた。木元との会話より、もう一度ゆっくりメールを読み返したいという思いだった。
「木元君ってむかしどんなクラブとかしてたん?」
水田がタイミングよく切り出した。
「高校の時はバスケ部でしたよ」
「そうなんだー」
福寺は二人が話してる間にもう一度メールを読んだ。
「こないだは会うことができなくて残念でした。11時前に行くと言っていながら、少し遅れてしまいすいませんでした。ホームですれ違った時にeikoさんを見ました。どうしてももう一度会いたいです。いつでもいいので会える日を教えてください。よろしくお願いします。」
送られてきたメールが今日だと分かった。
(今日の昼にきてる。遅れた?すれ違った?)
福寺はその日の記憶と一致しなかった。
(どういうことだろう…)
携帯をテーブルの上に置き、再び水田と木元の会話に耳を傾けた。聞いていると、木元はバスケ部でレギュラーとして試合で活躍していたことを細かく話していた。そして後輩に対してあれはダメだとダメ出し、いろいろ命令したことなど自慢気に語りだした。その自信過剰とも思われる姿に福寺は木元の性格が分かったような気がした。
「今日は何時まで予約とってるんですか?」
福寺は水田に小声で聞いた。
「一応10時までとってるよ。どうしたん?」
「いやっ、ちょっと」
福寺は理由までは口に出さなかった。メールの返信をどうしようか悩んだ。これ以上は関わりたくないのが本心だった。福寺は立ち上がり部屋から出で入り口の方に向かった。レジの辺りがわりと広かったので邪魔にならないところで立ち止まった。




