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龍次君の過去

セッションのタイムアウトがよくわからず遅れました。

すいません。

あれは、小学六年生の時。


「龍~~加部くん来たわよ~」母親の声が響く。

俺はしぶしぶ、部屋から出て荷物を持ち、加部の家の車に乗り込む。

あまり気分は良くない。加部もそういった表情をしている。

「いつもごめんなさいね~」

「いえいえ~」 母親同士の会話が聞こえる。

俺ら二人はバスケットボールのクラブチームに入っている。

そんなに強いチームというわけではない。

だから、練習内容がきついわけでもない。が、練習は憂鬱だ。

何故か、その原因はチームメイトにある。

俺と加部はあまりバスケがうまいとは言えない。

それに加え、積極性もあまりない。

そして、俺は人と話すのが苦手だ。

この三つの理由により、俺、そして加部は一部のチームメイトに嫌われていた。

上の二つだけならまだいい。

実際俺より、下手でも、上手くやっているやつはいる。

ただ、あまり話さないやつがミスばかりしているのなら嫌うのも無理はない。

こう思わなければ、やっていけない程、当時の小学生だった俺は心が弱かったと言える。

何だかんだ思っている内に、車は体育館に着いた。

「行こうぜ。」加部が声をかけてくる。

俺は頷いて、体育館へ向かっていった。


今日は練習ではなく、練習試合だ。

弱い俺と加部は当然スタメンではなく、ベンチの端の方に座っていた。

とはいえ、練習試合はただ練習するよりは楽である。

練習試合の場合、ずっと座ってるだけでいいからな。

そんなことを考えていると突然、俺の名前がどこかから聞こえる。

俺の名前を呼んだのは、監督だった。

ちっ 俺は心の中で舌打ちをした。もう少しで試合終わるんだからもういいのに。

まぁ、早くに呼ばれたら呼ばれたでそれは嫌なのだが。

しょうがなく俺はコートに出る。

この時点でバスケやっている意味はないと思うがそれはそれだ。

後少しだし適当にコートいりゃ終わるだろ。

そんなことを思っているのが悪かった。

俺を嫌ってる筆頭、高橋からのとてもいいパスを弾いてしまった。

ここで試合終了。俺は高橋とその他に睨まれた後、ベンチに戻っていった。

練習試合自体が終わり、片付け。

背中から聞こえてくる カス! 死ね!!など直接的な言葉が痛い。

まぁ、今回は俺が悪いし。そう割りきって加部の方へ向かおうとする。

そして、見てしまった、加部が俺の方を見て笑っているところを。


俺の心の何かが壊れた気がした。

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