龍次君の作文発表
満足いくスクールライフとは何だろうか。
織斑龍次は考える。
彼女がいることだろうか。 違う。
友達がたくさんいることだろうか。 それも違う。
それなら、何なのであろうか。
真に満足いくスクールライフとは···自分のしたいことができる。ということである。
「上の二つじゃしたいことはできないの?」こんな疑問が飛び交う。
そんな疑問に答えよう。
「あたりまえだ。」率直に答える。
「何で??」そんなの簡単。
彼女がいる = 彼女優先
友達がたくさんいる = 親友でないやつが周りにたくさんいる
解説をしてやろう。
まず、彼女優先について
「今月はあれとあれが出る、ずっと楽しみにしてたんだよな~~ あっでも来週あいつ誕生日だった。」
「そろそろ勉強するか、受験生だし。あっメールが来てる、あいつ始まると長いんだよなぁ。」
このように自分の生活に支障が出るのである。
別に出来ないからひがんでるとかそういうことじゃない。作らないだけである。
次に、友達100人出来るかなについて
親友というのは誰だってそんな人数いない。
親友といれば楽しいので周りのやつらは特に意識しない。
親友が用事でいなくなる。すると突然、会話がまわらなくなる。
こいつといてもつまらない。そういう認識が生まれる。友達から友達の友達になる。
このように友達がたくさんいても悪循環が生まれるだけ。
ましてや、友達100人なんて絶対いらない。
これも出来ないからではない、作らないだけ。
てな感じで脳内で講義を垂れてる間に授業は1時間 2時間と進んでいく。
そして、魔の4時間目 こ く ご である。
皆が「あと1時間で給食だ。」とかワイワイガヤガヤやってる中、俺は一人イライラしていた。
どのくらいイライラしてたかというと、
「正確にはあと55分だよぉぉぉぉぉぉ」と叫びたくなるぐらい。
実際ぼっちにはこの5分という時間がとてつもなく長い時間に感じる。
(もう保健室でサボろうかなぁ)なんて考えてると、チャイムが鳴ってしまう。
機会を逃してしまった。先生が入ってくる。
号令がかかる 起立 注目 礼 「お願いします。」皆席に座る。
何で、群馬県って注目ってのがあるんだろうね。
俺、1秒でも長く教室で立っていたくないんだけど。
国語の先生は轟という名字である。(下は忘れた。)
名字からだと男の先生という感じだが、女の先生である。
「はい、それでは早速ですが、作文の発表を始めます。」「一班からお願いします。」
当然、俺である。何で席、五十音順なんだよ。千葉県なら誕生日順なのかな。
席を立ち、前に出る。皆の視線がまぶしい 。 イヤ痛い。
黒板の前で礼をする。顔を上げると皆さんお喋りタイム。早すぎだろ、オィ。
まぁこの隙にさっさと読んでしまおう。切り替えの早い俺。マジかっこいい。
すると、轟先生が「静かにしなさい。読んでいるでしょ。」と皆を叱った。
ちっ 余計なことを。ほら皆さんこっち見始めちゃったじゃないですか。
気持ちを入れ替え続きを読む。皆の反応を見る限り悪くはなさそうだ。
タイトル選びが良かったのだろうか。タイトルは「中学生のネット使用について」である。
まぁ皆最近、(ライン?)だの何だのうるさいからね。
そういうのやる相手がいないし、何なんだかわかんねぇよ。
とりあえず、そうゆうんで何か共感的なものを少しは得られたらしい。
久しぶりに清々しい気持ちを抱え、席に戻る。
あとは適当に右から左に受け流しとけばいいだろ。
俺は、大きなアクビをし、目をこすっていた。
そして、魔の国語が終わり皆大好き給食タイム···とはならなかった。
何があったか、なんと! クラスぼっち二人目のご登場である。
その名は[|聡明なる瞳を持つ女王(クリーンオブ·メア·プリンセス)]という。
もちろん本名ではない。
そして、もちろん厨二病である。
本名は確か、宮崎だったはず。
厨二病ネーム通り、聡明な奴である。(クリーンな瞳かは知らんけど。)
頭が良い···それはぼっちにとって卑屈にならずに済む重要な要素であるが、
厨二病という要素が全てを台無しにしている。
いくら頭が良くとも、社会には出れやしない。
「この会社を選んだ理由は?」
「私が真に力を放てる地点に建っている。」
就職出来るはずがない。
直ったとして、将来悶え苦しむことだろう。(黒歴史は恐ろしい。)
というか、何故こいつは厨二病にかかってしまったのか。
学校の七不思議に入れてもいいレベルで疑問だ。
そんな宮崎も班の代表になったらしい。
こっちに関しては特に疑問ではない。
一応頭は良いので、文章を書くのも上手い。
聞いていると、どんどん話に引き込まれていく。
タイトルは「日本と世界の宗教」というものである。
日本と世界の宗教の違いが巧みに書かれている。
そして、宗教とは何か?というまとめに入っていった。
このままいけばクラス代表かな?そう思っていたが、
「つまり、私が神ということである。」 やってしまったのである。
読み終えて、宮崎が席に着いてもしばらくクラスは静まりかえっていた。
どうしてこんな結論となったのか。
「神様、というのは人が作り出した都合のいい幻想。」
「そんな都合のいいものに頼らない強い人間こそが、著しく神という存在に近いのではないだろうか。」
「つまり、·····」 てな感じである。
少しして何処からか失笑が漏れた。おそらく六班だろう。
「馬鹿だろ。」「イカれてる」なんて言葉も聞こえてくる。
そしてこんな時、先生は何も言わない。
学校なんてこんなものである。
踏み台がいてその上に立って笑ってる奴らがいる。
まさに、人 という漢字そのものである。
そんな中、クリーンな瞳を持つ孤高の女王はゴッドの姿にふさわしくただ真っ直ぐを向いていた。