龍次君のスクールライフ 始まり 始まり。
クラスに一人や二人はいるであろう、
あまり喋らない、
ずっと本ばっか読んでる、
というか存在を認知されてない、
そんな男子または女子。大抵の人は心当たりがあるであろう。
「つーか、僕がそうだよ!」なんて人も多いかもしれん。
そういう悲しい話は置いといて、とりあえず本題に入ろう。
こんな冒頭なんで多分皆さんお気づきであろう。
「はい、そうです、私がそうです。」
と、まぁこんなふうに脳内の妄想世界に逃げ込まなければ、
「やってらんねーよ、畜生!」となるレベルにまでは追い込まれていると、言っていい。
一体何があったのか···またしても脳内妄想世界にてお教えするとしよう。
この俺、織斑 龍次は中学三年生、ぼっちである。
「もう書くことがなくなっちゃった。てへぺろ^^」レベルで言うことのない無個性な人間である。
悲しくなってきたので一応、3年2組、3番 群馬県在住とだけ言っておく。(あれ···余計悲しい。)
こんな感じでぼっちになった訳も特にないつまらない人間であるこの俺だが、
皆の前で作文を読まされるという、とんでもない大事件に巻き込まれてしまったのである。
何がそんなに大事件なのか、そんなことは説明するまでもないと思う。
ぼっちが皆の前で作文を読む···そんなことをすれば、大抵叩かれる。
例えば、「何、あいつが友情の大切さとか主張してんの。それ、ただの妄想でしょ。」
なんて会話が教室内に蔓延し、こっちは心に大きな傷を負う。
もしくは誰も聞いてない。作文評価シートには、大抵3ぐらいで「もう少し声を···」なんて書かれる。
こんな感じである。
こんなふうに作文発表というのはぼっちにとって地獄のようなものなのである。
ここまで聞いてこう思った方もいるかもしれない。
「まぁ、皆発表するならしょうがないんじゃない?」
確かに、皆発表するならしょうがない。
しかし、この状況は違う。
この 作文発表は小さい班で発表して、その中から選ばれた6人が皆の前で。というものなのだ。
この方式でなぜ俺が選ばれたのか、
それは班の中の誰もやりたくないから という至極簡単な理由からである。
誰もやりたくない···そんな中、班の中で駆け引きが始まり、
皆さん一致団結、俺を指名しましたとさ。「友情って素晴らしいよね!」
そんな訳で、俺の地獄の時間は始まりましたとさ。めでたし めでたし···じゃないね。