第3章 練習試合開始!
遅れて本当にすみませんっ!←土下座
時は過ぎ、放課後になった。
学校が終わったあと、約束していた10人と桜と聖華が加わり、計12人で騎士団に向かっていた。
「それじゃあ桜先輩と聖華先輩も彼氏いないんですか?」
「ええ」
「好きというか、気になっている人はいるけどね」
「なんか意外……」
女子が恋バナをしている時、男子は少し前を歩いていた。
しかし離れていても声が聞こえ、聞かないように少し大きな声で話していた。
「文人達は強いのか?」
「一応俺達がいた中では一番強かったぞ」
「マジか!騎士団行ったら戦おーぜ!」
「負けねーからな!」
と、楽しく話している間にいつの間にか騎士団に着いていた。
そして訓練場に着くと、麻菜が皆のほうを向いて、話し始めた。
「とりあえず今日は、それぞれ1対1で戦ってもらいます。ペアはこっちで決めておいたから」
麻菜はそう言うと、持っていた紙を広げて皆に見せた。
そこには対戦表が書かれていて、全部で5試合分あった。
『1,文人VS良祐
2,竜牙VS紅希
3,麻菜VS澪
4,亮介VS空
5,奈乃VS裕実』
という風になっていた。
また、これを見た本人達は…
「うぇ、麻菜と?マジで?」
「よろしく、澪。手加減無用だからね」
「紅希、よろしくな!」
「お手柔らかに頼むよ」
「ふ、文人が相手か……」
「フッフッフ……これで容赦なく殺れるぜ」
「裕実、よろしくね」
「……負けませんから」
「空、よろしく」
「おう!よろしくな!」
それぞれ違う反応を見せていた。
また、対戦表に名前が入っていなかった2人はと言うと…
「……どうして入ってないのかしら」
「一応この10人でやる予定だったんだから、仕方ないわよ」
自分の思ったことを言い合っていた。
そう言っているうちに、さっそく1回戦が始まった。
「それでは、試合開始!」
「行くぜぇ!」
試合が始まったと同時に、文人は良祐に向かって突進をした。
良祐はいきなり突進してきたことにびっくりしていたが、予想範囲内であったのか、ダメージの無いように受け止めていた。
「はっ、やるじゃねーか!なら、これはどうだ!」
「っ!?」
文人がそう言うと、文人の瞳の色が赤色からスカイブルーへと変わった。
そう、文人はいきなりセカンド・アイを使ってきたのだ。
それによって強さが格段と上がった文人は、それを好機と思って良祐にどんどん攻撃していった。
また、それを見ていた10人はというと…
「「バカ」」
「なんで最初から使っちゃってるのよ……」
「この勝負、文人が負けても文句は言えねーな」
「「アハハ……」」
人によっては文句を言い、人によっては仕方ないと言い、人によっては苦笑いをしていた。
しかし、よく観察していない人にとっては文人が有利に思えるだろう。
だが、今の状況を確認すると、文人がセカンド・アイなのに対して良祐はまだファースト・アイなのだ。
それを見てわかっていた空達は、文人が負けても仕方ないと思っているのだ。
そこから更に付け加えると、奈乃達は文人のセカンド・アイがそんなに長くは続かないとわかっている。
一方の空達は長く続かないと知らなくても、自分達の経験上、続かないと予想は出来ている。そのため、このような反応をとったのだ。
そんなことをやっている内に、文人のセカンド・アイがいつの間にか終了していた。
「っげ、ヤバ!」
「!今だ!」
文人の声に反応した良祐は一気にセカンド・アイになって勢いよく文人に攻撃していった。
文人は頑張って防御するものの、最後は良祐の攻撃の衝動で弾かれてしまった。
思わず剣の飛んでいった方を見た一瞬の間に良祐は一気に間合いをつめ、文人の首筋に剣を当てた。
「この勝負、俺の勝ちだな」
「はい終了!1回戦、良祐の勝ち!」
麻菜の宣言によって良祐の勝利が確定し、良祐は首筋に剣が当たらないようにゆっくりと下ろした。
一方で文人は呆然としていたが、負けたことがわかった途端、いきなり地団駄を踏み出した。
そんな文人の肩に、奈乃は手を乗せた。その背後からは若干怒りのオーラが出ている。
「文人……Let's go to the after one's death world♪」
「嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!誰がたすてk」
ピシャッ!
「「「………………………」」」
いつものことで納得出来る5人はともかく、突然の出来事に脳がついていけない良祐達は、ただ呆然としていることしか出来なかった……。