第6話
「じゃ、バイバーイ。
ホントにありがとね、玲奈」
祭りが終わった後、中澤の友達と別れ、
七海を家まで送って私は中澤と2人になった。
「よかったじゃん。彼女出来てさ。
そういえば、中澤の家ってどこ?」
「いい、送る」
そう言って中澤は自転車を押しながら
道路側を並んで歩いてくれた。
へえ、彼女でもないのに送ってくれるんだ。
案外、優しくて頼りになるんだ。
委員会のときは、ふざけた人間だと思ってたのに。
「・・・私も、中澤みたいな人好きになればよかったの・・・かも」
隣を歩いている中澤が驚いた表情で見る。
小さくつぶやいたつもりが、聞こえちゃったみたい。
「な~んてね。期待しちゃった?」
中澤は笑って、どんな期待だよ、と言った。
それから色んな話をしながら家まで送ってくれた。
大丈夫、友達の彼氏を横取りするほど
性格が悪いわけじゃないし、バカじゃない。
それも、自分が協力して作ったカップルならなおさら。
わざわざ取るつもりでくっつける人なんかいないよ。
でもね、さっきの言葉。
冗談なんかじゃなくて、ホントにそう思ったんだよ。
裕太はね、夜暗くなっても送らないどころか、
誰かに見られるって言って、並んでも歩いてくれなかった。
別に付き合ってたわけではないから、
裕太が正しいのかもしれないし、中澤がお人よしなのかもしれない。
でもね、彼女がいるのに、その彼女の親友を
並んで家まで送ってくれるお人よし、嫌いじゃないと思った。
だからね、今度はこんな人を好きになろうって思ったんだ。
「送ってくれてありがとう。
じゃあ、気をつけてね。バイバイ」




