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君と見た花火  作者: 侑子
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第51話

箱を包んでいる綺麗なリボンをほどいて、

小さい箱をそっと開けると、

真っ白い布が姿を見せた。


レースのハンカチで、右下の端に

花火の刺しゅうがしてある。


中学生のプレゼントにしては、

レースのハンカチというのは珍しいし、

今は花火の季節より少し遅い気がしたけど、

私にはこの花火の刺しゅうハンカチが

何を意味しているのかは分かっていた。


宿泊学習で、そして近所の花火大会で、

一緒に見上げた花火。


きっと、それを意味している。


今なら、言えるかもしれない。


ううん、きっと言える。


貴方のことが、好き。


「うん、知ってる。俺もだよ」


蓮は、今までで一番優しい笑顔で答える。


でも、好きって言っておいてなんだけれど、

こんなに自分勝手な感情を押し付けられない。


だって、蓮は私の秘密を二つとも知っている。


それを、一緒に背負わせるわけには・・・。


「なあ、恋と愛の違いって知ってる?」


蓮が唐突なことを言い始める。


本で読んだ事はある。


恋は心が下にあるから、下心がある、

つまり見返りを求めるもの。


愛は、心が真ん中にあるから真心、

つまり見返りを求めないもの、だった気がする。


これも、本の作者の解釈だから、

もっと違うものもあるかもしれないけど。


でも、私もそうかもしれないと思う。


恋が見返りを求めるものだとすると、

見返りがないと冷めてしまうものかもしれない。


だから、永遠の愛はあっても、

永遠の恋とは言わないのかもしれないと思っていた。


「俺も、その考えは聞いたことある。

 けど、もう1個、よく言われているのがあるんだ。

 愛は重いから、2人で持つものなんだって」


そういえば、聞いた事があるかもしれない。


恋は、軽いからすぐに好きになったり、冷めたりする。


特に恋に落ちやすい人を軽い人というのも、

そういうところから来ているのかもしれない。


でも、それで、蓮は何が言いたいの?

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