第5話
数日後、夏休みを間近に控えたある日。
「ねえ、玲奈。ちょっといいかな?
あのさ、ウチの家の近くで夏祭りあるんだけど、
一緒に行かない?玲奈の家からはちょっと遠いけど」
七海から遊びに誘ってくるなんて珍しい。
七海の所属する女子バスケットボール部は
県内でも有名なくらい強く、休みも極端に少ない。
特に七海の代は奇跡の代と言われている。
だから、夏休みの部活動予定表を見ても、
一番ハードスケジュールなのが女子バスケ部だった。
「別にいいけど・・・。
んで、あたしは誰を誘えば言い訳?」
答えは分かっているけど、わざと名前を言わせる。
これがドSな私のやり方。
「もう、さすがドSっ子玲奈ちゃん。
あのね、隣のクラスの中澤。知ってるでしょ?
玲奈の好きな人も誘っていいからさ。
お願いします、玲奈様ぁ」
前から知ってたけど、どこがいいんだか。
別に嫌いじゃないって言うか、
委員会仲間として仲は良いから好きっちゃ好きだけど。
恋人ってタイプじゃないんだよね。
「はいはい。分かりました。
あたしは遠慮しておくけど。
中澤と、誰か中澤の友達でいいんじゃない?」
そしてまた数日後。
結局私と七海、そして中澤と中澤の友達で行くことになった。
私は七海と中澤の友達と相談をして、
上手い具合に七海と中澤を2人きりにすることにした。
「ちょっと七海。
今から2人っきりにしてあげる。だから頑張って告りな。
これがあたしからの誕生日プレゼントだよ。
んじゃ、頑張って。グッドラック!」
そう言って、私は親指を立てて突き出した。
しばらくして戻って来た七海の顔には、
幸せいっぱいの満面の笑みが広がっていた。
「玲奈~。ありがと~!!
告白したらオッケーされた!」
羨ましいですこと。
私もOKされてたら、こんな幸せな笑みを浮かべたのかな。
でもま、七海が幸せになってよかった、かな。




