第45話
蓮が病室に来て少ししてから、先生も来た。
「悪かったな、鈴木。
仕事全部押し付けて倒れるまで・・・。
後はクラスの皆で何とかするから、安心しろ」
え、ちょっと待ってよ。
それって、もう仕事できないって事?
確かに仕事は大変だったけど、そんなの嫌だよ。
「待てよ。それはないんじゃねーの?」
病室から出て行こうとした先生を引き止めるように、
低い声が病室に響いた。
心の中で思ってたはずが、声に出しちゃった?
「先生、こいつのこと全然わかってねーじゃん」
私が言ったんじゃない。
蓮が、先生を引き止めて言っているんだ。
「こいつは負けず嫌いで諦めが悪い性格だから
誰にも頼まずに1人で仕事してんだろ。
ここまで1人で頑張ってきてるのに、
いきなり仕事とられたらこいつはきっと傷つく」
その言葉に、驚きが隠せなかった。
なんで、私の考えが分かるの?
確かに、今までやってきた仕事をいきなりやめるのは
性に合わないし好きじゃない。
仕事をもらえない事は辛いけれど、
一度もらった仕事を出来ない事はもっと辛い。
それが例えどんな理由であれ、私には出来ない、
私なんかに任せられなかったと言われている気がするから。
それは、プライドが高い私にとって、
どれだけ辛いことだろうか。
「まあ、やってくれるんならいいんだけどな。
無理だけはするなよ、んじゃ俺は仕事あるから」
そういって先生は病室を出て行った。
そして、それを追うようにナースも病室を出て行き、
病室には私と蓮だけになった。
「ごめんな、結局体に負担かけて。
やっぱ、余計なおせっかいだった・・・?」
申し訳なさそうに謝る蓮。
そんな事ない、すごく嬉しい。
「でも、絶対無理は禁止な。
言ってくれれば手伝うし、みんなだってやってくれるんだから」




