第44話
目が覚めると、そこは白い空間だった。
透明な管が私の左手へ向かってつながっている。
そして、この独特の鼻をツンと刺す匂い。
ここは、多分十中八九、病院だ。
「目を覚まされましたか?」
カーテンを開けて、美人の若そうな
白衣を着たナースが入ってきた。
ナースは優しそうな口調で症状を説明した。
「栄養失調と貧血、疲労ね。
最大の原因は疲労とプレッシャーから来る
ストレスだと思うけれど。
中学生の女の子がストレスで倒れるなんて、
なかなか珍しいと思うわよ。
一応、お母様には連絡を取ったけれど」
多分、というか絶対来れないと思います。
と、言おうとしたけれど、言うのをやめた。
最初に見つけたのはおそらくおばさんだ。
親がこれないとなればおばさんが来るに決まってる。
そんなの絶対に耐えられない。
「前に頭も打ったことあるみたいだし、
2、3日検査入院してみましょう。
特に何か受けたい検査とかある?」
ここの病院、カウンセリングもあるみたいだし、
一度、行ってみようかな。
その時、病室のインターホンが鳴った。
ここの病室は個室制で、インターホンがついている。
ベッドのままでも外と会話できるようになっている。
「どうぞ」
インターホン画面を見ないまま返事をすると、
ナースが入り口まで迎えに行ってくれた。
「鈴木!」
静かに、でも低く響いたその声。
何度も聞いた事がある、その落ち着く声の主は・・・。
「れ・・・ん・・・・・・?」
なんで蓮がこんな時間にこんなところへ?
今、結構夜遅くのはず、だよね?
「学校行ったら昨日倒れたって聞いて、
先生から病院聞き出した」
きてくれて、嬉しい。
え、でも待って。
倒れたの、昨日?
「すみません、今日って何日ですか?
私が倒れたの、昨日なんですか?
というか、私何時間寝てました?」
ナースは、丸一日、と笑顔で答えた。
「ったく、マジ心配した。てかびっくりした。
先生ももうすぐ来るらしいから」
蓮のその言葉に、さっきまでの嬉しさは消えていった。
嘘でしょ・・・。
まだ配役誰も決めてないよ・・・!




