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君と見た花火  作者: 侑子
43/53

第43話

「たっだいまー、おっかえりー・・・」


最近このセリフも飽きてきた。


毎日誰もいない家に帰ったとき、

無言で入るのもつまらないから

1人で返事もしているのだけれど、

だんだん飽きてきた。


カバンを机の上に置くと、

台本とクラス写真を取り出して、

机に向かって考え始めた。


配役って言われても、わかんないよ。


絶対、誰か文句言う人は居るだろうし、

考えるのも正直面倒くさい。


皆は多分、私の性格を知らない。


なんでも言われた仕事はやっているけど、

本当はかなりの面倒くさがり屋なのに・・・。


その時、チャイムが鳴って前の家のおばさんの声が聞こえた。


そういえば、今日はおばさんが来るって言ってたっけ。


前の家のおばさんは、たまに家に来てくれる。


多分母親に頼まれているんだろう。


週に1度くらい様子を見に来るように。


でも、家事は全て人並みにこなせるし、

掃除だってきちんとしている。


某人気音楽アニメの奇声を発する主人公のような

ゴミに囲まれたサバイバル生活はしていない。


「れいちゃ~ん。帰ってきてる?」


あ~、面倒くさ。


前に来ていた隣のおばさんは好きだったけど、

今来てる前の家のおばさんは正直嫌い。


最初、母親が様子を見てくれと頼んだとき、

嫌な顔をして断った。


でも母親が少し高級なケーキを持って行っただけで、

目の色を変えて引き受けた。


それからも母親が色々なものを持ってくるから、

私の世話を引き受けているんだと思う。


母親はそういう感情に気がつかない。


まあ、私はいい子ぶっているし、

成績も悪くないからあのおばさんには気に入られている。


でも、あのおばさんが気に入っているのは、

将来有能な私で、多分恩返しを期待しているだけだ。


「れいちゃ~ん?」


「はーい」


機嫌のよさそうな返事をして、

勢い良く立ち上がる。


あれ・・・?


また、目の前が・・・。


私の体、どうにかしている・・・・・・?

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