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君と見た花火  作者: 侑子
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第42話

私が徹夜の末考え出した台本。


それは、配役の男女を全て入れ替えること。


この元の台本では7人の小人が全て男子の役だったが、

男子は正直あまりやる気なさげな私たちのクラスでは、

先生をはじめ色々な女子が心配していた。


それが男女の役が全て入れ替わることによって、

メインキャストが女子になることで

練習もスムーズに進むようになるだろうし、

大道具などの力仕事も男子の人手が増えるから一石二鳥。


唯一問題があるとすれば、男子だろうな。


女子が男子役をやるのは、多分誰かが乗り気なら

みんなで盛り上がれると思う。


ただ、問題なのは男子が女子役をやること。


女子が男子役をやれば盛り上がるけれど、

男子が女子役をすんなりやってくれるとは思わない。


多分、男子なりの照れだとか、

からかいだとかを気にしてやってくれない気がする。


実際、去年の先輩たちの劇では、

あるクラスは男子が全くやる気がなく、

またあるクラスは仕方なくキャスト全員が女子という状況になり、

どちらも面白みに欠ける演劇となった。


普通の演劇でさえ、そうなってしまう。


女の役、ましてやお姫様だなんて、

割とクールタイプが多い私のクラスでは、

黙って「はいわかりました」と応じてくれる気がしない。


そして、この男女逆アレンジの最大の難点は、

途中で姫の歌が入ること。


さすがにどうしようもないから録音するとしても、

歌が上手で受け入れてくれそうな女子も居ない。


やっぱり、難しかったかもしれない。


昼休みが終わって教室に戻ると、

急遽振り替えで配役決めのクラス会が始まった。


けれど、結局決まったのは7人の小人たちと、

そして姫の歌の役だけだった。


ちなみに、姫の歌は自分になってしまった。


女子はもう全てがノリで、

歌も作詞をしたんだから歌ってしまえ!というような

ノリで推薦、そのまま決定されてしまった。


まだ作曲まではしていないけど、

それも全部私でやらなくちゃいけなくなった。


私も一応は吹奏楽部だから音楽は苦手じゃないけど、

歌うことや作曲は専門外で得意じゃない。


「やっぱり、私じゃ無理だよ。

 歌とか苦手だし、作曲もできないし・・・」


作曲は最悪の場合音楽担当の先生に頼むとしても、

歌が得意な子はもっとたくさんいるんだから、

私なんかじゃふさわしくないと思うし・・・。


「大丈夫、今までだって何でもできてきたんだから、

 歌も作曲も玲奈ならできるよ」


クラスの女子たちが楽しそうに言う反面、

男子たちはあからさまにどんよりとしていた。


「なあ、鈴木。配役とかも全部決めてくれないか?

 男子の配役と、決まってない女子の分。

 特に希望は居ないみたいだし、

 脚本家のイメージに合う人を選んだ方がいいと思うし。

 あぁ、どうせなら監督もやるか?」


確かに脚本家としてそれぞれのイメージを作り、

副学級代表としてクラスを見てきた私なら、

一番キャスティングを決めやすいのだろう。


それに先生の楽しそうな言葉に、逆らえはしなかった。


ああもうしかたない。


やるしかない、か。

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