第4話
「れーいーなー!早く来ないとおいてくよ」
遠くから同じ部活の友達の声がする。
私は急いで重たいカバンを持ち上げ、
教室の戸締りをして急いで走っていった。
「ごめんごめん。待っててくれてありがとね」
帰り道、友達と話しながらも
さっきの蓮の言葉を思い出す。
自分の好きなように、か。
蓮があんなこと言うなんて思っていなかった。
「ねえ、玲奈。
さっき杉田と教室で2人でいたっしょ。
2人で何やってたの?意外にやるねぇ」
そういってからかってきたのは、
隣のクラスで同じ部活の由美子。
「なんもないよ。偶然会っただけ。
んじゃ、家こっちだからバイバイ」
そう言って十字路で由美子と別れ、
私は近所のある公園へ行った。
なつかしい、この公園。
この公園は、私が裕太に告白するとき、
待ち合わせをした場所だった。
今日と同じような、雨の降っている日だった。
「いきなり恋人とかには見えないから、
これからもすごくいい友達でいよう」
それが、裕太の出した返事だった。
けれど、その返事通りにはならなかった。
話しかけてもぶっきらぼうな答えしか返ってこなく、
メールでは女子のメアド集めに都合よく使われている。
それでも、私は自分の気持ちを貫いてきた。
友達からの反対も押し切って、
振られても好きと言う気持ちを貫いてきた。
私なりに色々頑張ってきたつもりだ。
振られた後も、少しでも素適な女の子になるため、
努力を怠らずに頑張ってきた。
でも、それも無駄、なのかな。
「あれ?鈴木・・・だよな?」
自転車のブレーキ音と一緒に聞こえてくる
低めの声にはっと振り向くと、
自転車にまたがったスポーツ刈りの男子がいた。
いつの間にか流れていた涙を拭いて、
いそいで何もなかったかのように振り向いた。
「何してんの?そんなところで。
傘ささないと濡れちゃうよ」
そこに立っていたのは、委員会仲間で
裕太と同じ野球部の中澤直人だった。
「大丈夫。なんでもないよ。
中澤は塾かなんか?偉いね~。
じゃ、そろそろ帰るから。中澤も気をつけてね」
そうそうに話を切り上げ、
私は走って家に帰っていった。
この涙を、誰かに見られるわけにはいかない。
「あ、おい。・・・まあ、いいや。
気をつけるのはお前のほうだぞ」




